gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

クロマグロ全取引禁止提案を検討 米、ワシントン条約会議 - 47NEWS(よんななニュース)

日本で高値で取引されるクロマグロについて、国際取引の全面禁止を求める提案を、米国政府が来年3月のワシントン条約締約国会議に行うことを検討していることが7日、分かった。条約関係者が明らかにした。
クロマグロについては、モナコが同会議に、大西洋と地中海の個体群の国際取引禁止を提案する方針。既に英国やドイツなどが支持を表明しており、会議の最重要議題となる見通しだ。
世界中で漁獲されるクロマグロの約8割が日本で消費され、その半分以上が輸入品。輸入が禁止されれば、すしや刺し身など日本の食卓に大きな影響が出るのは確実で、今後の議論の動向が注目される。
関係者によると、米国が検討しているのは、太平洋の個体群も含めたクロマグロすべての国際取引を禁止するとの、モナコ案よりさらに厳しい内容。主に日本市場向けに大量に漁獲、輸出された結果、絶滅が心配されるまでに数が減ったことが理由という。
これ以外にも、個体数が減っているアメリカウナギ、アオザメやシュモクザメ、軟骨ががんに効くなどとされて乱獲が進んだアブラツノザメなどこれまで規制がなかったサメやエイ約10種の国際取引を新たに規制対象とし、輸出入時に許可証の発行を義務付けるとの提案を検討中。
また現在は許可証があれば取引できるホッキョクグマと、イルカの仲間のイッカクについては、毛皮や歯などの製品を含め、国際取引を禁止する提案を行うことを検討している。

http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009080701000164.html

マグロ漁に関しては、90年代に日本へマグロを輸出すれば儲かる事に気がついた台湾がマグロを乱獲して日本に輸出しはじめた結果、元々採算性がイマイチ*1だった日本のマグロ漁は衰退している。*2
衰退した分、台湾からマグロを輸入しているというオチだったりする。
また日本のマグロ漁ではかなり前から漁獲量制限や産卵期の漁獲を禁止するなど、マグロ資源を生かす漁法を採っているのだが、中国には最近までそうした制限は無く、欧州では完全に野放し状態。
産卵期だろうがバンバン捕って日本に輸出してるんだから、マグロが減少するなんてのは当たり前なのである。
更に近年の日本食ブームからマグロの世界的消費の増加に加えて、中国の日本食ブームがトドメを刺した形となり、台湾だけではなく中国もマグロ漁に手を出して乱獲しているというのが「マグロ絶滅危惧」の真相だったりする。(日本は高度経済成長期から考えれば半世紀マグロを食べ続けているが、絶滅危惧の話が深刻化したのがここ十年くらいの話と言う時点で…)
そもそも、上記の理由を見ればわかるとおり、日本向けが8割、と言う数字自体がかなり怪しい。
にもかかわらず、アメリカの非難は、日本を名指しと言う辺り、黒いノムたんの異名を持つオバマが、中国辺りからの日米離間策をほいほい受け入れて手を打ってるんじゃないかと邪推したくなる。
単に、牛肉をFTA(関税ヌキ)で売りつけるための嫌がらせ、という一面もあるだろうけれど。(こと貿易関係で米国民主党は日本を目の敵のようにバッシングする傾向があるので、既定路線とも言う)
とはいえ、現実に絶滅が危惧されている事だけは間違いなく、マグロ好きとしては、非常に痛い話ではあるが、絶滅させてしまっては永久にマグロを食べられなくなってしまう。
その意味で、仕方が無い措置と納得できる点もある。
しかし、今までも漁獲規制などの国際的な合意をして来たにもかかわらず、現実には日本しか規制を守らず、欧州やら中国が乱獲して日本に売りつけてるという事実を考えれば、ヤミ漁船による密漁と密輸が増えるだけで、裏に金が流れるだけの結果に終わりかねない。
実効性のある規制と、漁獲、流通規制をセットにして、中国・台湾及び欧州諸国の乱獲と言う「いまそこにある問題」をこそ止めるべきだと思う。
あと、絶滅危惧が無くなったら、ちゃんと取引を再開できるのか、その辺りをきちんと明確にして欲しい。

*1:人件費及び高騰する燃料費、輸入の増加でマグロ価格の下落等…

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD