gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

コードギアス 反逆のルルーシュR2 TURN―1― (角川スニーカー文庫)

コードギアス 反逆のルルーシュR2  TURN―1― (角川スニーカー文庫)
この作品は、アニメのノベライズと言うより、裏設定資料本という立ち位置の本で、コードギアスという作品が全く違うストーリーでメディアミックスされたのと同様に、アニメ本編と限りなく近いものでありながら、アニメ版で語られなかった、もしくはカットされてしまった設定を組み込む事で少し違う視点のコードギアスという物語になっている。
惜しむらくは、元々が2クール分のアニメをたった4冊の小説に押し込んだ事からも判るように、かなり駆け足で物語が語られており、ルルーシュとC.C.、ルルーシュとナナリーの物語へと集約されている為に、それ以外の登場キャラや二人があまり関わらないエピソードに対しては大幅なカットが行われている点。
ぶっちゃけていうと、小説単体としての完成度はあまり高くない。
しかし、アニメ補完としては非常に優秀で、扇ジャパン率いる黒の騎士団みたいな言い訳不可能な愚挙とかカレンの駄犬っぷりはともかく、アニメでは苦手な内面描写に拠る「あの行動は、何故行われたか」の説明やら設定補完はかなり良い感じ。
以下、ネタバレ。
C.C.がルルーシュ相手に過去を見せたエピソードの意味をようやく理解。
やっぱり、本作品のヒロインは文句なくC.C.であり、次点がナナリー、次がシャーリー。カレンは駄犬にして噛ませ犬でしか無いことが良く判った。
アニメでは、シュナイゼルに騙された、少し頭の弱い被害者だと思われていたナナリーが、「自分が一番大切」マリアンヌの血を濃く受け継ぎ、ルルーシュに騙され、棄てられた事で絶望し、それ以上にルルーシュへの愛の為に、それ以上の罪を重ねさせず、自分が殺すためにシュナイゼルの企み等も全て理解した上で、ペンドラゴンはもちろんルルーシュ相手にフレイヤを撃ちまくったとか、実は物凄い黒い内面を抱えていたというエピソードは最高。
ある意味、ルルーシュとナナリーは良く似た兄妹であり、むしろルルーシュの方が情に篤い「優しい人間」であるという辺りが…。
ゼロ・スザクによって皇帝ルルーシュが暗殺され、凶刃を受けたルルーシュにナナリーが触れた際の一瞬のエピソードは、蛇足とも感じられるけれど、あれはあれで、アニメですら「ナナリーはでっかい因果を食らいました」と思っていたのが、実はもっと重たい因果を食らってましたと判ったので、あれはあれでよかったかも。
その後のナナリーって、なんだかんだと一生独身を貫きそうだよなぁ…。
追記:ラストエピソードで、ルルーシュ生存の可能性を示唆したけれど、消えたはずのV.V.のコードをルルーシュが手に入れて不死となっていたのか、単に死が偽装だったのか判然としない。
けれど、とりあえずルルーシュが生存してC.C.と共に生きる事ができたのだとしたら、扇ジャパン率いるクソの騎士団連中やら駄犬カレンに超特大の因果が巡らなかった点も許せそうに思える。
検索用:コードギアス 反逆のルルーシュR2