gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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北朝鮮が砲撃、韓国艦から150mの直近に着弾 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

【ソウル=中川孝之】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮軍が22日午後6時ごろ、黄海上の軍事境界線に当たる北方限界線(NLL※)の南側を砲撃し、砲弾2発が韓国軍艦艇の直近に着弾した。
同艦艇も、北朝鮮側に即座に5発の対抗射撃を行った。双方に被害はなかった模様だ。韓国軍艦艇を狙った北朝鮮軍の意図的な挑発とみられる。
参謀本部によると、北朝鮮軍は、沿岸部の洞窟などに配備した海岸砲を発射したと推定される。砲弾の着弾場所は、韓国軍艦艇からわずか約150メートルしか離れていなかった。聯合ニュースによると、韓国軍艦艇の乗組員らは、約150メートル先で水柱が上がるのを見て、北朝鮮軍の砲撃を認知したという。現場は、2010年11月に北朝鮮軍が砲撃した延坪島ヨンピョンドの西約14キロ・メートルで、同島住民らは避難施設に逃げ込んだ。
現場海域では20日、北朝鮮警備艇がNLLを侵犯し、韓国軍が警告射撃を行っていた。これに対し、北朝鮮軍は21日、国営メディアを通じて攻撃を示唆する通告を行っていた。
※NLL=Northern Limit Line

http://www.yomiuri.co.jp/world/20140522-OYT1T50152.html

着弾観測するまで気が付かなかったってことは、事前にレーダー照射が無かったってこと?
つまり北朝鮮って、目視照準で韓国艦に、2発目で誤差150mの至近弾をぶっ放した、という話になるんだけど…。
目視照準の場合、1発目は着弾観測で、2発目以降で順次補正して命中を得ていく。
2発目で「至近弾」って、尋常じゃない腕前だぞ?
調べてみると

(前略)
北朝鮮が、韓国海軍の尹永夏(ユン・ヨンハ)級ミサイル高速艦を正確に照準して砲撃したのか、それとも意図的に船の近くに着弾させて警告を込めた威嚇射撃を行ったのか、正確には確認されていない。北朝鮮の2発の砲弾は、韓国軍の艦艇からわずか150メートルの場所に着弾したことが分かった。韓国軍当局は、海上での150メートルは極めて近距離といえることから、照準射撃レベルの威嚇射撃だったと推定している。韓国軍の消息筋は「北朝鮮の意図が何であれ、一歩間違えれば韓国軍の艦艇に命中しかねなかった危険な状況」と語った。ただし北朝鮮は、2発の砲撃を行った後、韓国軍の5発の応射に対して追加の砲撃を行わなかったことから、それ以上事態を悪化させる気はなかったものと韓国軍当局ではみている。
北朝鮮が海岸砲を発射したのか、もしくは警備艇などの艦艇から艦砲を発射したのかも、はっきり確認されなかった。韓国軍当局はひとまず、延坪島付近の茂島・長在島や黄海道の海岸に配備された122ミリ海岸砲、あるいは130ミリ海岸砲だった可能性が高いと考えている。当時、韓国軍の高速艦は、黄海道の海岸から20キロ以上離れた海上を航行していた
(後略)

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/05/23/2014052300781.html

と言うわけで、北朝鮮は20km以上の距離を、レーダー照準なしで、たった2発で150mの至近弾をぶっ放したとか。
もう、レーダーが無かった前大戦時代の砲射撃で見ても、とてつもない腕前だと言える。
対して韓国艦は尹永夏(ユン・ヨンハ)級=コムドクスリ級ミサイル艇だったらしい。
韓国が誇るウォータージェット推進の最新鋭艇で、例によって例のごとくトラブル・欠陥の嵐だが、レーダーも搭載され、1番艇はオート・メラーラ76mm砲、2番艦以降はその韓国レプリカのWIA 62口径76mm速射砲が搭載されている。*1
コムドクスリ級ミサイル艇の砲は、レーダー連動の艦載用速射砲なのだ。
きちんと照準して撃ったなら、「双方に被害はなかった」なんて事になる筈もなく、最初から命中弾を得られる性能がある。
上記記事についた画像を見ると、韓国側は発射地点の確認が取れなかったので、近くにいた「砲撃してきた訳でもない」北朝鮮警備艇に対して「5発の応射」をしているのだ。
なんというか、これを以て「応射」とか「対抗砲撃」とは言わないだろJK。
もう、「撃たれてパニクった新兵が、目に見える敵に乱射した」レベルの酷い対応。
本当に、北朝鮮が攻めて来た時に、韓国軍が本当に対抗できるのか、非常に疑問を感じざるを得ない結果だと言える。
余談だけど…北朝鮮が2発とも最初から150mの至近弾を撃ってきた理由が、レーダー照準射撃していたからだった場合、韓国艦は北方限界線付近という、警戒を厳にすべき場所で対レーダー監視システム(被照準警報)を切っていた、という可能性が出てくる。
まともな軍隊なら、停戦合意が破られている敵国近海を哨戒中にもかかわらず、なーんの警戒もしていなかった、という可能性は低いんだけど、韓国軍だから、その可能性も否定できないんだよね…。

*1:なお、勝手にレプリカを「自主開発」と言い張った件で、オート・メラーラ社から訴訟を起こされていたが、ウリナラ判決で、オート・メラーラ社の訴えは「最高裁で否決」されている