gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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インドネシア大統領選、ジョコ氏が当選=選管| Reuters

ジャカルタ 22日 ロイター] - 9日投開票のインドネシア大統領選挙で、総選挙委員会(KPU)は22日、ジャカルタ州知事ジョコ・ウィドド氏が当選したと発表した。
KPUによると、ジョコ氏の得票率は53.15%。プラボウォ・スビアント候補との得票差は約6%ポイントだった。
プラボウォ候補はKPUの結果発表前に、選挙が民主的に行われなかったと批判し、候補を取り下げた。プラボウォ氏の弁護士によると、同氏は選挙結果について憲法裁判所に異議を申し立てない。
ジョコ氏は10月20日に7代目大統領に就任する。直接選挙で選ばれた大統領としては3人目、実業界出身の大統領としては初めてとなる。
任期は5年。低迷する成長の押し上げ、経常赤字の縮小、国民の生活水準向上などが急務となる。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FR1IZ20140722

日本人の一般的な感覚だと、インドネシアという国自体が眼中にない、と言う感じだけど、アジア諸国と言う枠組みの中で見ると、インドネシアはGDPは韓国に次ぐ規模でアジア5位。人口も世界4位。
アジア6位の台湾に比べると倍近い経済力を持ち、その上で、軍事力も大きい国だったりする。
そんな国の大統領選というものは、割とアジアでは重大なニュースと言える。
インドネシア華人の勢力が強い国である。
華人は民族的な同化をしない癖に、その国の中で経済的に肥え太って同族優遇を進めるので、今も世界中でも嫌われている通り、インドネシアでも華人は経済的に裕福で富を独占している関係から、忌み嫌われている。
世界的に見て、華人は金の力で権力者や政治家と癒着して、寄生した国の政治にも強い権限を持つ場合が多いのだが、70年代のインドネシアでは華人の権利を制限し、政治から遠ざけられていた。
しかし、90年代にその規制緩和を勝ち取り、急速に政治権力を拡大させ、アジア通貨危機以降は、一気に政治権力を拡大させ、多数の華人政党を生み出すに至ったのである。
現在もその傾向は強く、オーストラリアとの対立で西側に対する不信から中国への傾倒を進めており、インドネシア華人を通じて中国との経済的・軍事的接近がかなり進んでいて、政治としては華人や中国との融和が進められる一方で、インドネシア人民としては経済格差に苦々しい気持ちを抱えている状況だったりする。
そんな状況で、「庶民派」のジョコ・ウィドド氏の当選である。
ジョコ氏は政治の変革や汚職撲滅を公約としており、今まで中国寄りだったインドネシアが、方向転換する事もありうる訳で。
まあ、華人は金の力が無いと経済が立ち行かない状況でもあるし、いきなり手のひら返しは無いと思うけど。
また、インドネシアは軍の力が強く、今までの大統領は軍とのパイプを持っていた上で、その制御に苦労してきた経緯があるのだが、ジョコ氏は軍とのパイプが全くなく、その辺りの制御に弱点があるのでは、と言われているらしい。
…確かに、このご時世、軍を掌握できない大統領って、中国に付け入られる隙がデカいという事でもあるなぁ。