gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

打ち上げから36年の探査機、民間の手で再利用 -AstroArts-

1978年にNASAの太陽探査機として打ち上げられ、民間の運用により復活した「ISEE-3」。11日未明に月のそばを通過し、新たな惑星間ミッションを開始した。
1978年8月12日に打ち上げられた探査機「ISEE-3」が、本日8月11日3時15分(日本時間)に月面から1万5600kmの距離を通過し、地球軌道より外側の惑星間空間へと向かって出発した。
ISEE-3は、打ち上げ後最初の4年間は太陽‐地球間のL1点で太陽風の観測を行い(注)、1980年代には月と地球周辺の複雑な軌道を周りながらジャコビニ・チンナー彗星(21P)とハレー彗星(1P)を接近探査した。彗星の尾の中を通過した探査機はこれが史上初だった。その後、地球軌道に近い太陽周回軌道で太陽コロナ質量放出(CME)の観測を細々と行っていたが、1999年にNASAによる運用が終了した。
2010年代に入り、観測機器が生きている探査機をふたたびよみがえらせようと、無線や航空宇宙の有識者らが協力して再運用にのりだした。NASAに残っていた紙の資料をデジタル化し、16万ドルの寄付を集め、旧式の探査機に対応する通信機を新たに製作した。
探査機が地球に接近した今年5月、「ISEE-3再起動プロジェクト」はプエルトリコアレシボ天文台を介して双方向通信に成功した。燃料タンクの圧力低下のため、残念ながらブレーキをかけて地球周辺に留めておくことはできなかったが、惑星間空間観測という新たなミッションが開始される。

http://www.astroarts.co.jp/news/2014/08/11isee3/index-j.shtml

何と言うか、これは胸が熱くなるような展開だな。
36年前に打ち上げられ、25年もの長い運用期間の末に役目を終えた老兵が、お役御免から11年の時を超え、未だに戦う牙*1を残している事を知った有志たちが、地球に再接近するタイムリミットまでに、NASAの協力を取り付け、クラウドファンディングで資金を集め、失われた制御用の機材をゼロから復元してカムバックさせるとか、全米が泣くわ
関連:ISEE-3/ICE - Wikipedia

*1:観測機器13基中12基稼働、燃料も僅かに残る