｢こっちの切り札はレアアースだ！｣ 「炭素繊維ってこんなにすごいものなのか」…軍事転用可能な炭素繊維を不正輸出に中国ネット！ : 軍事・ミリタリー速報☆彡
2015年5月27日、環球時報は日本メディアの報道を引用し、日本で輸出が制限されている炭素繊維を中国に不正輸出した疑いで日本人3人が警察に逮捕されたと報じた。この報道に、中国のネットユーザーが強く反応している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150528-00000011-rcdc-cn
逮捕されたのは兵庫県の貿易会社会長ら3人で、輸出先を韓国と申請していたが、実際は韓国釜山市を経由して中国に3500キロを輸出したとみられている。炭素繊維は軍事転用が可能。高い市場シェアを持つ日本のメーカーに比べ、中国の炭素繊維分野における技術力は依然、未熟な状況だ。
これに対し、中国のネットユーザーは以下のようなコメントを寄せている。
「日本はなぜ、中国への炭素繊維の輸出を制限できるのか？レアアースだって武器の材料だ。電子製品そのものが武器の部品じゃないか。公平の原則からすると、中国も日本へのレアアース輸出を止めるべきではないのか？」
「日本や米国にレアアースを輸出する中国の企業経営者はみんな逮捕だ！」
「炭素繊維は自転車にだって使われている。日本人は自分たちの技術を高く評価しすぎ」
「炭素繊維ってこんなにすごいものなのか。中国は資金力にモノを言わせて、この分野を攻めるべき。成果が出るまでそう時間はかからないはずだ」
「日米は中国がレアアースを輸出するよう強く迫っている。しかし中国への炭素繊維輸出を認めないとは、まさに強盗国家だ」
「日中友好って言葉は国民を欺くための言葉だね。でもだまされないぞ。中国も日本への輸出を禁じる製品を法律で決めるべきだ」
「中国の技術力ってそんなに低いのか…」（翻訳・編集/野谷）
中国共産党の情報制限ってガチなんだなぁ…。
ＷＴＯの正式な輸出品目であるレアアースと、軍事技術規制品目で輸出入が出来ない高度な炭素繊維素材*1と、同列に並べる頭の悪さも酷いが、とっくの昔に「レアアースの禁輸カード」は切ってて、しかもあっさり無効化された上にＷＴＯ違反が確定してペナルティを受けてるし、輸出規制を撤廃しても輸出が激減して中国国内のレアアース企業が次々と経営縮小している現状なんて、少し調べれば判るのに…。
そもそも、レアアースを使った高度な２次加工製品は、ほぼ日本企業が独占しているから、中国ではレアアースなんて日本に輸出できなければタダの泥にも等しいゴミでしかない。
購入枠の７割近い一番のお得意様相手に、喧嘩を売る時点で、アホとしか言いようが無いんだけど。
中国の経済制裁により、2009年から2010年の間に、対日輸出が４割削減され、年間２万トン分の輸出が失われた。
中国はすぐに日本が土下座してくると思ったのだが、翌１０年、１１年の間に次々とレアアース削減技術を発表し続ける。
お蔭で、１１年の後半には０９年の１０倍以上に暴騰していた資源価格は急落し、１２年には最高値の４０％までに価格下落、１３年には２０％となり、０９年の輸出規制による暴騰は沈静化。
暴騰が沈静化した最大の理由は、技術革新により、供給に対して需要が満たされているからであり、中国としては年間２万トン分もの輸出需要が喪失したと同義であり、また戦略的に価格つり上げをしてきたレアアースの価格統制が破綻した事を意味する。
また、ＷＴＯ違反が確定したので、次に同じことをやらかせば、中国に対する世界からの経済制裁が発動しかねないから、もう価格つり上げもできなくなったのだ。
…ちなみに、レアアースの中には、中国でしか産出していない、本当の意味でレアで禁輸されると供給が完全に止まる物もある。
しかし、そういう稀少なものは最初からあまり大量に使われるような分野には使われないし、国内備蓄は１０年分以上(普通のレアアースは２から３年分)を溜めてるから、仮に明日全面禁輸されても、困らないようになっている。
