ボーイング社が航空自衛隊F-15J戦闘機の近代化改修案を提案へ…機体寿命の延長でF-15C仕様に! : 軍事・ミリタリー速報☆彡
Boeingが日本の航空自衛隊(Japan Air Self-Defense Force)が使用しているF-15J戦闘機の近代化改修案を提案か提案準備を行っていることが12日、業界専門誌の報道によって明らかとなった。
http://www.technobahn.com/articles/201610121930470000.html
Boeingの防衛部門の日本担当責任者のJim ArmingtonがFlightglobalのインタビューに応えたものとなる。
改修案の内容は、機体フレームの改修による機体寿命の延長、レーダーをRaytheon APG-63(V)3 AESAに置換、長距離赤外線センサーの新規搭載など、F-15Cの仕様に近いものとなる見通しとなっている。
ただし、Boeingは詳細な改修案の内容については明かしていないが、日本の航空自衛隊で使用されている機体については、近代化改修により機体寿命を大幅に延長することが可能との見方を示している。
Boeingは日本の航空自衛隊が使用している機体がいつ頃機体寿命を迎えるかなどについてもコメントはしていないが、Wikipedia(日本語版)では、「空自の年間飛行時間から換算すると初期生産分の機体が基本寿命である8,000飛行時間を迎えるのは2025年あたりとなる」と記述されている。
今回のBoeingによる近代化改修案の骨格となるF-15Cは機体寿命を2040年まで延長させるものとなっているため、業界では別名「2040C」とも呼ばれている。
んんん?
この改修は、Pre−MSIP機に対する提案なのか、それとも既に発表しているMSIP機のゴールデンイーグル化に代わる新規提案なのだろうか。
前者なら、ハッキリ言って金の無駄なんで、F35を追加調達した方がマシって話だし、後者なら、アメリカで進行中のF15C/D近代化改修の内容と同等になるので、ゴールデンイーグル化の上位互換になる。
アメリカのF15C/Dの延命に関しては、2040年代まで使用する為の改修としているから、提案されている2040C計画ってのは、後者に思えるのだが。
記事中の「初期生産分の機体」に該当するのが、Pre−MSIP機と呼ばれる109機を指す。
MSIPってのは、Multi−Stage Improvement Program、多段階能力向上計画を意味しており、アメリカで1983年から実施されたMSIP−2の内容を、日本でライセンス生産していたF15にも適用して近代化したのだが、この改修前に製造した機体だから、Pre−MSIP機という。
Pre−MSIP機も近代化改修したかったらしいのだが、改修費用が高額であり、見送られた。
それから30年以上が経過した現在、アメリカでは90年代後半にはゴールデンイーグル計画でとっくに近代化されていたF15C/Dが、日本では90年代初頭の性能のまま放置され2016年現在も、5割が1980年前半当時の性能(Pre-MSIP機)、3割以上が1980年代後半の性能(MSIP機)、残る2割弱が形態2型とか形態1型とかの小改修を経て、ようやくゴールデンイーグルの一部の性能を実現しているに過ぎない。
ぶっちゃけ、8割以上のF15が30年前の旧式のままなのだ。
30年前と言えば、PC8801Mk−2(当時23万円、消費税無し!)とかが全盛の時代である。(今では4500円のラズパイ3の方が圧倒的に性能が良いが…)
電子戦装備が、現代の最新装備に比べて、どれだけ劣っているのか、想像するだけで恐ろしい話である。
そして、改修した2割弱も性能的には不十分なままであったが、この2040C計画が実現すると、アメリカのゴールデンイーグル計画をすっ飛ばして、アメリカと同等の最新化が出来る事になる。
命中しすぎて困っちゃう日本の変態ミサイルが運用できるようになれば、それだけでも意味があるが、
余談だけど…
機種名 | CPU | コア数 | クロック数 | メモリ | 発売日 |
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PC-8801mkII | μPD780C-1(Z80A 4MHz相当) | 1 | 4MHz | 184KB | 1983年 |
Raspberry Pi 3 Model B | ARM Cortex-A53 | 4 | 1.2GHz | 1GB | 2016年 |