gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国の秘密兵器は国産空母だけではなかった―中国紙 - Record China

2017年4月26日、環球時報(電子版)は、「中国の秘密兵器は国産空母だけではなかった。潜水艦建造工場が憶測を呼んでいる」と題する記事を掲載した。
中国初の国産空母の進水式が同日午前、遼寧省大連であった。大型兵器として空母は大きな注目を集めているが、中国が持つ秘密兵器はほかにもある。米国メディアによると、中国は現在超大型の潜水艦建造工場を建設中。完成すれば原子力潜水艦を4隻同時に作ることが可能になる。
また、中国メディアは新型中距離弾道ミサイル「東風快逓」の戦闘能力が向上し、「対空母攻撃を行う爆撃機、潜水艦、駆逐艦などの世代交代も進んでいる」と伝えている。
科学誌「ポピュラー・メカニクス」によると、中国は現在世界最大の潜水艦建造工場を建設している。事業主体は渤海船舶重工で、建設地は遼寧省南西部の葫芦島市。敷地面積は約43万平方フィート。完成後は2つの生産ラインで、原子力潜水艦を4隻同時に建造できるという。中国メディアは「完成すれば軍事愛好家やスパイ衛星の標的になるだろう」と伝えている。
しかし、同工場の完成が潜水艦建造において中国が米国より優位に立ったことを示すわけではない。米海軍は毎年2隻の潜水艦を建造する計画で、1隻あたり約3年で完成させる。同時に6隻の建造が可能で、規模やスピードは中国をしのいでいる。(翻訳・編集/大宮)

http://www.recordchina.co.jp/b176454-s0-c10.html

普通に考えて、空母随伴に必要な艦隊型の攻撃原子力潜水艦を量産する為だろう。
中国の軍拡がスタートしたのは、00年代に入ってからで、水上艦の多くがこの十数年で新造された新品ばかりである。
通常動力潜も、AIP艦である元(039A)型を絶賛増産中で、元型だけで13隻(20隻調達予定)、そのひとつ前の宋(039)型を14隻、更にキロ改型を12隻*1とまあ、39隻もの新造艦を運用中である。
当然だが、これだけ揃っている状況で、通常動力潜を更に急いで大量生産する必要は無く、中国が新造した潜水艦建造工場で建造するのは、全て「原子力潜水艦」であることは、ほぼ確定だろう。
理由は簡単で、現時点で中国は、満足な性能を持った攻撃型原潜を保有していないからだ。
中国の攻撃原子力潜水艦の最新型は、晋(094)型と呼ばれる艦で、就役したのは2006年だが、建造開始は1994年と、中国海軍の艦としては古い部類に入り、性能的にも原型となったロシアのヴィクターIII型より劣るものでしか無かった。その前の漢(091)型は論外の騒音レベルで、実用に足らないし。
結局、2隻で調達は打ち切られた模様で、追加2隻という噂もあるが、既に建造中なら、近いうちに4隻体制となり、2〜4個艦隊を護衛するのに十分な数が揃う筈である。
にも拘らず、わざわざ新しい潜水艦建造工場を建造すると言う事は、晋型の改良型である、噂の095型を建造する為だろうし、同時4隻という数も、直近で中国が目標としている3個機動艦隊の随伴プラス1で、丁度いい感じだし。
しかし、この「急ぎっぷり」は、本当に恐ろしい。
普通に考えて、昨日進水したばかりの「山東」が戦力化されるのは、予定でも2年先で、実際使い物になる為には、4年以上かかるだろう。
上海で建造中の「広東」に至っては、進水自体の予定すら公表されておらず、普通に考えれば、6年程度先に戦力化できれば御の字だろう。
つまり、建造ドックが2隻分あれば、6年後には4隻揃うのだ。
にも拘らず、中国は4隻分の建造ドックを用意し、3〜4年後には4隻の攻撃原子力潜水艦を就役させる気な訳である。
まるで、そうしないと「間に合わない」と考えているかのようだ。
…何に?
個人的に、中国が暴発するなら、2025年頃と予想していたが、この戦力調達の前倒しっぷりを見ると、更に3年程度前倒しなるかもしれんなぁ…。

*1:内、00年代製造の8隻はロシアのキロ改より性能が良いとされている