gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ファーウェイ、「Mate 10」「Mate 10 Pro」発表--大容量バッテリ、極薄ベゼル、AIチップ搭載 - CNET Japan

華為技術(ファーウェイ)はドイツで現地時間10月16日、新型スマートフォンHUAWEI Mate 10」と「HUAWEI Mate 10 Pro」を発表した。前モデルの「Mate 9」は、サムスンの「Galaxy Note7」が失敗に終わった後の2016年終盤、上位のビジネス向けスマートフォンの座を獲得した。Mate 10やMate 10 Proが「Galaxy Note8」をその座から追い出すことができるかどうか、今後の動きに注目が集まる。
ファーウェイは独自にプロセッサを開発しており、Mate 10とMate 10 Proが他の主力製品を上回るための鍵となる要素は、新しい「Kirin 970」かもしれない。Kirin 970は人工知能(AI)に対応するプロセッサで、さらに高い性能、エネルギー効率、インテリジェンスを達成してユーザーの作業をさらに効率化することを目的とした、専用のニューラルネットワーク処理ユニット(NPU)を備える。
Mate 10は、5.9インチ、縦横比16:9の液晶ディスプレイを搭載し、Mate 10 Proは、本体に占める画面の割合がさらに大きくなった縦横比18:9のディスプレイを搭載する。どちらもベゼルは最小限にまで薄くなっているが、仮想現実(VR)には対応しない。Mate 10 Proは防塵防水性を備えるが、なぜかMate 10は備えない。その他の主要な仕様は以下のとおり。
Mate 10の仕様
プロセッサ:2.4 GHz、8コアのHuawei製Kirin 970
ディスプレイ:5.9インチ液晶、2560×1440ピクセル、499ppi
OS:「Android 8.0 Oreo」上に独自UI「EMUI 8.0」を搭載
RAM:4Gバイト
ストレージ:内蔵64Gバイトに加えて、microSD拡張カードスロット装備
カメラ:OIS対応背面カメラ2基(1200万画素のカラーと2000万画素のモノクロ、F値1.6)、前面カメラ(800万画素、F値2.0)
バッテリ:4000mAh、急速で安全性の高い充電技術「SuperCharge」を採用
サイズ・重量:156.5×77.8×8.2mm、186g

Mate 10 Proの仕様
プロセッサ:2.4GHz、8コアのKirin 970
ディスプレイ:6インチ液晶、2160×1080ピクセル、402 ppi
OS:Android 8.0 Oreo上にEMUI 8.0を搭載
RAM:6Gバイト
ストレージ:内蔵128Gバイトに加えて、microSD拡張カードスロット装備
カメラ:OIS対応背面カメラ2基(1200万画素のカラーと2000万画素のモノクロ、F値1.6)、前面カメラ(800万画素、F値2.0)
バッテリ:4000mAh、急速で安全性の高い充電技術SuperChargeを採用
サイズ・重量:154.2×74.5×7.9mm、178g

上記のほかに「PORSCHE DESIGN」モデルもあり、こちらはMate 10 Proの内蔵ストレージを256Gバイトに変え、カラーを光沢のあるダイヤモンドブラックにしたものとなる。
また最新モデルでは、USB Type-Cポートを介した、大きなディスプレイへのミラーリングまたは拡張にも対応する。
Mate 10は、価格699ユーロで10月下旬に発売予定。Mate 10 Proは799ユーロ、PORSCHE DESIGNモデルは1395ユーロで、いずれも11月半ばに発売予定だ。

https://japan.cnet.com/article/35108864/

この端末最大の「売り」は、独自SocであるKirin 970の「人工知能(AI)アクセラレータ NPU」にある。
中国科学院 計算技術研究所の生み出した、深層学習に特化したプロセッサアーキテクチャ「寒武紀(Cambricon)」を、IPライセンス提供という形で供給され、商用化されたものだ。
一部の記事で「AI内蔵チップ」とか言われているが、厳密に言うと違う。
深層学習に使われる処理を、従来の汎用プロセッサで処理する場合、ニューラルネットワークをソフト的なエミュレートで実行する事になり、必要な計算や処理が多くなるが、深層学習に特化した専用の命令セットとメモリ配置で最適化したプロセッサなら、そのエミュレートを力技ではなく、ハード的に処理できるようになり、当然高速化する。
記事に寄れば、Kirin 970は画像に対する深層学習による認識処理を、従来の汎用プロセッサの25倍の速度で実行できると言う。
…そう、あくまでも、深層学習を高速で処理できる、というだけで、AI処理自体はその上に乗るソフトウェアであり、サービスなのだ。
理想的に行くなら、スマホ毎に自分に特化したコンシェルジュを得るような話になるが、現時点でそこまで望むのは、無謀すぎる訳で。
となれば、Kirin 970自体の汎用プロセッサとしての性能は?と問われると、ひとつ前のKirin 960と大差無いらしい。
画面サイズと解像度的には、P10PlusよりMate10の方が好みだが、価格的にはP10Plusの方が良いかも。
ただ、現物を見た感じ、P10Plusは上下の幅がデカくて、P10の方がデザイン的には優れているし、1世代前のMate9の方が見た目も良い。
単純な価格内容比なら、honor9が実売4万切るなら、一番安いKirin 960搭載機として使えるけど。
しかしまあ、ここまで来ると品質差は横に置いて、国産スマホでは本当に勝負にならなくなった。
ベンチマークだけで考えるなら、Kirin 960 は Snapdragon 835に匹敵しており、これを搭載した最も安価なスマホは、最低70K以上する中、P10で58Kからな訳で。
これで、個人情報を勝手にドロボーしなけりゃ、迷わず買いなんだけど。
ただまあ、中国の「キャッシュレス」というより「スマホ社会」っぷりを色々と知る機会があったのだが、極端なまでにスマホと個人と信用情報が分かち難く結びついている社会では、信用情報の精度を上げる為、本人を少しでも特定する為の情報を貪欲に収集するという姿勢は判らなくもない話だった。
それは、中国以外の先進国なら、個人情報の保護を叫ばれ、絶対に許されないレベルで、収集されており、それが実にシームレスに商用(当然、共産党でも)利用されている
幾ら便利でも、一歩間違えれば、そのままSFのディストピアが実現できるレベルでの「個人情報の垂れ流し」っぷりは、自分なら耐えられないけれど、中国ではそれが「当たり前」となり、それが高度なサービスとしてユーザに還流する良さげな流れが出来ている事までは、否定しない。
日本だと、折角マイナンバーと言う、行政や社会システムを効率化できる便利なツールを得たのに、マスコミの知らせない自由と、それに伴う国民の無理解が原因で、個人情報ガーの叫びが木霊し、まともな活用すら頓挫しかかっているのに比べれば、対照的とすら言える。
iPhoneが10周年を迎え、本格的なスマホ社会が誕生してから、まだ5年と経っていない、若いムーヴメントだけれど、この中国の壮大な社会実験は、かの国に対する好悪は別として、興味深い物だと思う。
中国に於いては、単なる私企業が持つ個人の信用情報が、実質的なマイナンバーに相当していて、個人の価値まで金額で評価しているのだから。