gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

全面戦なら「初期にミサイルで北の基地を焦土化」 韓国陸軍 -聯合ニュース-

【ソウル、鶏竜台聯合ニュース】韓国陸軍は19日、中部の忠清南道・鶏竜台の陸軍本部で行われた国会国防委員会による国政監査で、朝鮮半島で全面戦が起きれば早い段階で3種類の弾道ミサイルを発射し北朝鮮の核・ミサイル施設と長距離砲基地を焦土化する作戦概念を整備していることを明らかにした。
陸軍は、北朝鮮の核などの脅威に対応し、戦時の国民の被害を最小限に抑え、最短期間で戦争を勝利に導くための地上作戦遂行概念「5大ゲームチェンジャー」を初めて提示した。
5大ゲームチェンジャーは▼全天候型・超精密・高威力弾道ミサイル3種類▼空挺部隊・航空部隊・機械化部隊などでつくる空地機動部隊▼有事の際に北朝鮮指導層の排除などを担う特殊任務旅団▼ドローン(小型無人機)とロボットを活用した有人・無人の複合戦闘システム▼個人の装具を先端化した個人先端戦闘システム――からなる。
3種類のミサイルは戦術地対地ミサイルと玄武2、玄武4(仮称)で、陸軍はこれらを用いて開戦初期に北朝鮮の核・ミサイル基地や長距離砲を無力化するとしている。軍が構築を進めている韓国型3軸体系のうち、発射されたミサイルを迎撃する「韓国型ミサイル防衛(KAMD)」を除き、北朝鮮にミサイル発射の兆しがあれば先に破壊する「キルチェーン」、北朝鮮が攻撃してきた場合に指導部などに報復攻撃を行う「大量反撃報復(KMPR)」の二つを陸軍が主導する姿勢を示したものと受け止められる。
玄武4は韓米がミサイル指針の改定に最終妥結した後に開発する弾頭重量2トン以上の弾道ミサイルだ。弾頭重量2トンのミサイルは米軍の戦術核兵器に匹敵する威力を持つ。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/10/19/0200000000AJP20171019004100882.HTML

あっはっは、相変わらず韓国の大手ニュースは、平然と嘘っぱちを書くなぁ。
日本の産経も相当酷いけど、韓国の場合、大手新聞社が全部同レベルと言う辺りが救えないと言うか。
一番デカい、アホでも判る嘘は、「弾頭重量2トンのミサイルは米軍の戦術核兵器に匹敵する威力を持つ」という最後の一文。
最低でも「通常炸薬換算でキロトン(1000トン単位)級の戦術核」が、たった2トンの弾頭に搭載できる炸薬で実現できるなら、北朝鮮も世界中を敵に回してまで核兵器なんて作らなかったと思うわ。
あと、「5大ゲームチェンジャー」も失笑もの。
まず、韓国の弾道ミサイルは開発したは良いものの、最初からアメリカのナイキミサイル不正コピーとしようとして、当然だけどアメリカからの支援が得られず、仕方なくロシアから盗んだ技術で開発されており、盗用元は90年代のミサイルであ。
更に言うなら韓国製名品兵器の常として、公称性能は盛りに盛られているが、実際の試射数は極めて少なく、いつもの「試作品は動くけど、納品された正式採用品は…」という疑惑が拭えない代物。
仮に、コピー元のイスカンデルと同等性能だとしても、弾道ミサイルってのは迎撃困難なだけで、ABC兵器を弾頭に使わない限り、単なる通常爆弾でしかない。
上で書いた通り、2トンの通常炸薬弾頭は、2トンの爆弾とほぼ等しい火力しかないのだ。*1
しかも、北朝鮮弾道ミサイルの大半は輸送起立発射機(TEL)からの発射になり、これを発射前に撃破する事は、アメリカ軍ですら不可能だし、弾道ミサイルで先制撃破なんてのは、完璧な妄想でしかない。
そもそも短距離弾道ミサイルを「ゲームチェンジャー」と言うなら、短距離弾道ミサイルを1000発規模で保有する北朝鮮が絶対優位という結論になるだろう。
次に、「空地機動部隊」および「特殊任務旅団」だが、地上兵の錬度で言うなら、徴兵した士気の低い兵が主力の韓国に対して、日常が既に命賭けな北朝鮮の方が覚悟と必死さで優位であるし、長年の浸透工作で韓国内の北朝鮮工作組織は、韓国の政治中枢に介入できるレベルにある。(現大統領が北朝鮮シンパだし…)
この時点で、全く勝負にすらならないとお察しである。
有人・無人の複合戦闘システムについても、アメリカからグローバルホークが高くて買えず、国産した無人偵察機などがあるが、開発開始されたのも近年の話で、それが量産の上で部隊連携が出来るほどに高度に習熟したと言う話は、全く聞こえて来ない。
トドメの個人先端戦闘システムについては、もう言うまでもないだろう。
アメリカからXM29 OICWをパクって無理矢理配備したK11複合型小銃を指していると思われるが、弾薬不良によりクソ高い20mmグレネード弾を15万発も廃棄*2する羽目になったり、納入した50%以上が故障していたなど、度重なる不祥事に加え、事故まで起きて、配備中止状態にある。
現時点で、韓国の歩兵部隊が、これ以外に何らかの、他国に無い先進的な装備を配備したとは、寡聞にして知らない。
むしろ、老朽化した歩兵火器の更新費用が、最新兵器を買う為の予算を捻出する為に削られ、保有小銃の75%以上が25年以上前の物だと言う。
装備の古さでは北朝鮮も負けていないだろうけれど、軍事費が1ケタ以上違う韓国と北朝鮮で、重要極まる歩兵戦力が「互角」ってのは、かなり深刻な問題と言える。
ぶっちゃけ、在韓米軍は陸軍が2万人程しかおらず、野戦砲部隊や工兵隊を含む、在韓米軍基地の守備隊という編成で、地上戦の主力は間違いなく韓国軍が担う事を前提に、米軍は戦略を立てている。
北朝鮮陸軍100万人を迎え撃つは、韓国陸軍50万人である。
韓国のドクトリンでは数的劣勢を、高度に機械化された砲兵の分厚い火力支援と、航空優勢に基づく対地爆撃支援に支えてもらう事になっている。
しかし、K9 155mm自走榴弾砲が、延坪島砲撃事件で「(故障と性能不足で)全く役に立たなかった」という「戦果」を挙げてしまい、前提が一つ崩れている。
対地攻撃についても、F15K自慢の精密誘導爆弾は、韓国内で使用する場合、携帯電話の基地局を停波させなければ、使い物にならない。
そうなると、主力はKF16になるのだが、近代化改修にまつわるゴタゴタで、LMと契約が締結されたのは2016年11月21日の話。
現時点で、どの程度の機体が改修済みになったのかは判らないが、1機約10億円という契約金額的に、AESAレーダーを含んでいない金額としか思えないんだけど、LMはレーダーの交換を含むとしている。
…もしかして、取り付け工賃だけで部品(レーダー)は別?
とりあえず、続報が無いから何とも言えないけれど、順調なら、とっくに報道されていると思う。
まあ、結論として韓国軍の言う「5大ゲームチェンジャー」とやらは、全部妄想と言う事で間違いないと思う。

*1:速度分の運動エネルギーはあるから、貫通力は上だけど

*2:自爆覚悟で戦時予備にするという噂も