gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「新品」を欲しがる自衛隊的発想、米陸軍少将が批判 「新装備を買う前に、もっと維持整備を考えよ!」 | JBpress(日本ビジネスプレス)

近年、自衛隊の装備調達が「維持費」を無視しているとして批判を受けている。実際に、それは自衛隊の装備品の稼働率を低下させ、また現場を苦労させることにもつながっている。
こうした中、米陸軍安全保障援助コマンドの司令官がそうした発想を批判するインタビューが公表された。同司令官は、153カ国に対する1720億ドル(約19.4兆円)・5300件以上の米陸軍系装備品の提供と維持整備指導を担当している。
今回はその批判の概要を紹介し、我が国にとってどれほど重要な意味をもっているのかを論じたい。
その装備は本当にその国に必要なのか?
米陸軍安全保障援助コマンド司令官、ステファン・ファーメン少将は、軍事情報サイト「ディフェンスニュース」(10月11日付)の中で、同盟国が予算の使い方を変えてもっと防衛装備品の維持を重視するよう早急に議論を始めるべきだとの考えを明らかにした。
(中略)
ファーメン少将の見解は、同盟国やパートナー国が、安易な「新品」志向によって防衛装備品を維持できなくなっている状況を指摘したものである。この指摘は非常に重い意味を持つと言えよう。
(中略)
発展途上国新興国を中心に、米国の装備品を買い込んだものの使えなくなっている事例が多発している。
(後略)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51388

日本は「発展途上国新興国」じゃない。
どう考えても「韓国」や「フィリピン」に向けた発言を、日本向けに摩り替える辺り、臭い臭い。
過去の執筆記事を見たら、案の定、無理筋のタイトルが並ぶ。
そして、記事を読んだが、件の「ステファン・ファーメン少将」は、日本の事など、一言も触れてないのに、筆者はいきなり「ファーメン氏の指摘は、まさしく自衛隊的発想を批判したものだと言うことができる。」と、理由も無く決めつけている。
日本の防衛装備は、バブル崩壊からこっち、防衛費を抑え込まれ、ずーっと更新停滞を余儀なくされていた。
むしろ、F4は言うに及ばず、「今までずっと旧式装備を遣り繰りしていた維持整備の軍」なのが正しい。
民主党政権時代の外交失敗により、中韓と言った敵性国家の脅威に国民が気付き、北朝鮮問題と合わせて、ようやく自衛隊の装備更新が進み始めただけで、グローバルホークだって、予算の都合で試作機をそのまま配備する羽目になった多用途小型無人(TACOM)がきちんと研究されていれば、国産で済ます道もあっただろうが、無いのだから買うしかない。
オスプレイだって、離島防衛に必要な装備として調達するもので、アメリカの水陸両用部隊を参考にした新編成で使われるもの。
新しい概念の兵器なのだから、旧来兵器プラットフォームの延長線でどうにかなる物じゃない。
AAV7だって同じ目的で購入されたものだ。
日本に今まで「水陸両用部隊」が無かったのだから、その装備が新規調達になるなんて、当たり前の話だ。
そのしわ寄せが、陸自に向かい、10式戦車を含む戦車定数の削減につながったのはアレだと思うし、AAV7を試験や国産水陸両用車開発の為の少量調達ならともかく、52両もまとめ買いしたのはアホだと思うけど、情勢的に「15年後では無く、5年以内に必要だった」という、日中関係の悪化を鑑みれば、やむを得ない部分もあるだろう。
そして、全体予算が殆ど増えていないのに、新装備を増やせば、当然だけど、やはりしわ寄せがどっかに行くことになる。
それが予備部品の在庫減少、になるのは特に珍しい話ではないだろう。
文句を言うべきは、国力に比して過少な防衛予算の方だろうに…。