gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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インドの新型ICBMで「中国全土が核攻撃の射程内」 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

<今週インドが射程5000キロ超のICBM「アグニV」の発射実験に成功したことを発表。インドは中国全土が核攻撃の射程内に入ったと主張している>
今週18日、インドは東部オリッサ州沖合の発射施設で、核弾頭が搭載可能な大陸間弾道ミサイルICBM)「アグニV(ファイブ)」の5回目の発射実験に成功した。
今回の実験はアグニV開発の最終段階で、これによって陸上発射型ICBMとして実践配備に一歩近づいた。CNNによればアグニVの射程距離は約5000キロ以上で、中国北部までが射程内に入る。
インドのニルマラ・スタラマン国防相は18日、「本日午前9時53分、インドは射程5000キロのICBMアグニVの発射実験に成功した。ミサイルキャニスターはインド製で、ロケット装置は3段式。オリッサ州沖のアブドゥル・カラーム島から発射された」とツイートした。
アグニVはインドの防衛研究開発機関(DRDO)が進めるアグニシリーズミサイル開発の一部。高さ約17メートルで、2012年に最初の発射実験が実施され、昨年12月には4回目の発射実験が実施された。
元インド軍大佐のアジャイ・シュクラはCNNの取材に対し、インドは徐々に「複雑な発射実験のプロセス」に習熟してきている、と語っている。また、アグニVの最大射程には中国全土が入っていると主張した。
全米科学者連盟によると、インドは約130発の核弾頭を保有していると見られている。
インドのニュースチャンネルNDTVは、アグニVの今回の発射実験を伝えたうえで、これによって「ICBMを所持する超高級クラブ」でのインドの立場が保証されたと報じた。
中国の政府系メディア環球時報の英語版Global Timesは、今回のインドの実験について「世界のICBMクラブに入りたいインドの欲望」と非難した。また通常のICBMは8000キロ以上の射程があるが、アグニVの射程は5000キロしかないと批評している。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/icbm-20.php

これで更に、中国はインドに手を出し難くなった。
既に自力で衛星打ち上げに成功しているインドが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発出来ない理由が無い訳で、実際にアグニシリーズは、インド初の国産ロケットをベースに開発されている。
中国メディアを介した中国共産党の発言は、単なる悔し紛れのイチャモンの類であろう。
ちなみに所謂、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と呼ばれる超長射程のミサイルは、推力が大きく、出力制御も細かくできる液体燃料ロケットが長らく主流にあり、これを転用して商用の衛星打ち上げロケットに転用していた一方で、短距離または中距離の弾道ミサイルは、即時性や即応性を重視して、燃料注入が不要な固体ロケットが主流となっている。
一応、全段固体ロケットの大陸間弾道ミサイル(ICBM)もあるし、米露の核戦力の主力なのだが、それは核軍縮で弾頭数10個を越えるような多弾頭(MIRV)を自粛した結果であり、本来の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、1段目を強力な液体燃料ロケットとして開発されているのだ。
インドの場合、兵器としてのアグニシリーズは固体ロケット、商用のロケットは液体燃料ロケットと開発領域を分けていて、ある意味ではアメリカ、欧州連合方式の、兵器用と商用ロケットを分けて開発しているタイプに見えるのだが、当然、インドも核弾頭の多弾頭(MIRV)化を推進しており、核弾頭の小型化が不十分ならば、当然の様に1段目に液体燃料ロケットを使う訳で、軍事転用は最初から視野に入っているのである。
その意味で、日本のイプシロンロケットとかH2ロケットに対して、欧米以外の国、具体的には中国と韓国と北朝鮮とロシアが、弾道ミサイル同然、と考えるのは、実は至極当然と言うか、自分たちが弾道ミサイルのついでに商用ロケットを開発しているのだから、日本もそうに違いない、と言う発想であり、実は平和ボケが極まった末に、純粋にロケットを平和目的に開発している事が誇りです、軍事転用なんて考えてません、と言うお花畑な技術者たちによって高性能なロケットが飛ばされているなんて、想像もできないのだから。
…ていうか、本当に想像を絶するだろう。