gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

トランプ、先制核攻撃へ一歩──小型核弾頭開発を表明 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

<大型核兵器ばかり保有しているアメリカの核兵器は、犠牲が大き過ぎて使えないはず──そう高をくくっている敵にも抑止力を効かせるのが狙いというが>
ドナルド・トランプ米政権は2月2日、中期的な核戦略の指針となる核戦略見直し(NPR)を発表し、爆発力を抑えた小型核兵器の開発を打ち出した。アメリカが核兵器を本当に使うと敵国に思わせることで、抑止力を強化する狙いがある。
例えばロシアの核戦略は、攻撃してもアメリカとの全面核戦争に発展しないために、小型化した「戦術核兵器」の使用も想定している。アメリカが現在保有する核兵器は大型で大量の民間人が犠牲になるため、反撃はできないだろうという前提だ。
国防総省高官は、アメリカが新たに開発する小型核は、ロシアや中国、北朝鮮などの敵国による小型核の使用を抑止し、核攻撃の応酬を回避するためのものだと言った。
「今後はさまざまな報復能力の確保と抑止力の維持を目指す。限定的な先制核攻撃なら、核兵器を使ってまでアメリカは報復してこないだろう、という誤った印象を敵国に与えないためだ」と、国防総省ナンバー3のジョン・ルード政策担当国防次官は2月2日、記者会見で言った。
(中略)
ルイスは言う。「問題は、なぜアメリカが現在保有する4000発以上もの核弾頭が、いまだに抑止力を発揮できていないのか、だ」
(中略)
巡航ミサイルに核弾頭を搭載するのは、敵対国が通常兵器による攻撃を核攻撃と誤解し、たちまち核戦争に発展する恐れがあるため反対が根強い。
(中略)
当時大統領だったオバマに核巡航ミサイルの廃止を訴えた米紙ワシントン・ポストの論説でこう書いた。「ミサイルの不意打ちが可能で、核兵器も通常兵器も搭載できるため、核巡航ミサイルは情勢を不安定化させる凶器だ」

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9469.php

トランプの決断は、十分に意味と意義のある決断だったと思う。
アメリカの保有する「4000発以上の核弾頭」は、「ロシアとの相互確証破壊」に費やされているのだから、米露間の核戦争以外の抑止になる訳が無い。
戦略核兵器は、もし使えばロシアからの核戦争を誘発しかねない諸刃の剣だ。
逆に、ロシアがウクライナ戦略核を使って居たら、アメリカも戦略核を使用する可能性すらあっただろう。
そういう兵器は、どれだけ量を持って居ても、それ自体の使用抑止効果しかある訳が無い。
であれば、ロシアに対抗しての戦術核兵器の開発再開は、中国やロシア、フランス、北朝鮮が狙っている「戦術核兵器なら使っても許される空気の醸成」を阻止する効果があるだろう。
実際、中国は尖閣侵略に際して「(中国は核保有国だから)アメリカは参戦(報復)してこない」という誤った認識を持って居て、更には「(戦術)核兵器自衛隊を一網打尽」にできると本気で考えている。
しかし、アメリカが戦略核だけでなく、戦術核兵器を以て「核の傘」を提供するとコミットした以上、北朝鮮朝鮮戦争核兵器を使えば、アメリカも戦術核で報復する事を覚悟しなければならなくなった。
これは、アメリカが戦略核兵器で報復する事に比べれば、数段「使用に際するハードルが下がる」事を意味するから、「核巡航ミサイルは情勢を不安定化させる」のは当然だが、そもそもアメリカ以外の国(ロシアと北朝鮮)にょって、戦術核兵器の増強や核拡散で「情勢を不安定化させた」のだから、アメリカの対応は後手であり、対応結果なのだ。
それを非難するなら、そもそも情勢を変化させたロシアや北朝鮮に文句を言うのが筋だ。