gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日中韓の5G商用化「実はいばらの道」中国メーカー米市場参入に立ちこめる暗雲 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

2020年を目指す第5世代(5G)移動通信方式の商用化をめぐり、日中韓の覇権争いが激化している。韓国は2月25日に閉幕した平昌冬季五輪で商業展開に向け世界にアピール。中国も積極的な投資と海外進出に意欲的だ。日本でも異業種と連携した実証実験が相次ぐ。ただ商用化に向けては、巨額の投資が必要なほか、最大市場の米国で安全保障上の観点から中国メーカーの市場参入に警戒感が広がるなど、暗雲もたちこめている。
5Gの世界市場の開拓で先手を取るのは中国勢だ。スマートフォンメーカー、ZTEは昨年2月に開催された「MWC(モバイル・ワールド・コングレス)2017」で、世界初となる5G対応スマホによる仮想現実(VR)映像やHi−Fi(ハイ・ファイ)音源のダウンロードのデモを披露し、注目を集めた。
中国企業の投資意欲は旺盛だ。人民網日本語版が2月7日に配信した記事によると、大手通信機器メーカー、中興通訊は、30億元(約510億円)と専門家約4500人からなるチームを投入し、欧州市場で実証実験を行う。中興は今年、5Gの世界市場での協力範囲を世界トップレベルのプロバイダー二十数社に拡大するとしている。
人民網によれば、大手スマホメーカーの華為技術(ファーウェイ)も今年、50億元を5Gの研究開発に投資する計画だ。
(中略)
商用化実現に向けた課題の一つが、巨額な投資コストだ。米ブルームバーグ通信によると、巨大市場の米通信業界で必要となる投資額は研究開発費、設備投資額などを含めて年間約2000億ドル(約21兆円)に達するという試算もある。ブルームバーグは、技術的に成功を収めたとしても、業界の成長が伸び悩む中、投資額を回収するのは困難との見方を伝えた。
とくに中国メーカーにとっては、米国の安全保障問題が懸念材料だ。米ニュースサイトのアクシオスは1月28日、トランプ政権の国家安全保障チームが、5G通信システムを政府機関に導入すると検討していると報じた。中国の脅威に対抗し、中国側が盗聴できないようなネットワークの構築が狙いだという。
(中略)
背景には、米安全保障当局や議員の一部から、「中国政府が有害なハードウエア、またはソフトウエアを5Gスマホにインストールする危険がある」などと指摘する声がある。世界的大手のファーウェイだが、米国市場での存在感はほぼゼロに等しく、苦境に立たされている。
(中略)
日本の死角も見えてきた。
(中略)
一例としてワイヤレス無線の5G技術の特許数を挙げ、日本の通信機器メーカーが世界のプレーヤーに比べて見劣りしている点を指摘している。
(中略)
日本の機器メーカーのほとんどは国内での事業確保を重視しており、同リポートは生き残りのためにビジネスのあり方を大幅に変更せざるを得ないと提案した。
(後略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180308-00000500-san-bus_all

実際、5G研究に関しては日本もファーウェイと組んでるし、記事では「スマホの市場」という文字を抜いて勘違いさせているが、北米の移動体通信基地局は、ファーウェイが少なくないシェアを持って居るぐらい、ファーウェイと移動体通信ってのは、主力の商品である。
更に言うなら、中国共産党から総計で兆単位の補助金を貰っている事もあり、途上国へ安価に基地局を売りつけて、日本と北米以外では、移動体通信インフラの根元を握ったりもしている。
アメリカが中国の機器を廃したとしても、この流れは変わらないので、中国が本気で今まで以上に中華製基地局販売に補助金を付け続けるならば、日本と北米以外は中国の5Gに席巻される未来もあり得る。
…ただまあ、4Gで十分な性能がある以上、4Gにインフラ投資したばかりの途上国が、新しく5G対応の基地局整備に熱心になれるか、と言えば、疑問ではあるけれど。
ちなみに、日本メーカーが最初から価格面で勝負にならない海外市場を度外視して、国内需要だけに着目しているのは、中韓焼畑商売を容認し続けたアメリカと、為替高を維持して国内企業をデフレ脳にした日本政府に責任がある話なので、その進捗が中国程に早くないのは仕方のない話。
2020年のオリンピックの時点では、5Gなんて4Gが9割の状態で併用している真っ最中じゃないかな。
下手すると、(ガラケーで)利用者が多いからって理由で、3G廃止が延期される可能性まである。
そもそもの話、2Gから3Gへの移行は、2Gと3Gの間に親和性のある規格から順に移行し、2001年にNTTが3Gの試験サービスを開始してから、2Gの停波まで9年かかっている。(つまり2Gは1993年から2010年までの17年利用された)
3Gに同じ期間が適用されたとして、2018年には完全停止していないとイカンのだが、現時点でそこまでの進捗は無い。
むしろ、今のペースなら本当に2020年時点でも停波していない可能性がある。
4Gは3.9GのXi(クロッシィ)の開始した2010年からスタートで、既に8年経過しているが、2Gから3Gの例で考えると、今年には5Gの試験運用が始まって居なければならない。
しかし、現実には5Gの標準化さえ終わっていない訳で、2020年に商用化できるとしても、大都市圏やオリンピック会場の一部が限界で、対応端末も2020年の春モデルから発売されれば御の字だろう。
そもそも、3Gおよび4Gに限っても、先進国を除けば、まだまだ十分に普及しているとは言い難い。
丁度、韓国の経済成長期に3Gおよび4Gが規格化した事もあり、韓国では3Gおよび4Gの普及率や速度が世界一になったりしもたが、これと同じことが4Gについては中国で起こりつつあり、今時点ではアジアでの移動体通信の品質は、世界でも上位に入る。
…が、日本や北米のように、既に十分なインフラがある国だと、こうした切り替えは時間が掛かる。
特に、中国なんかは膨大な金と手間を掛けて整備した4G通信網を、あと5年程度先には5Gへと入れ替える必要がある訳だが、これには4Gの時以上に膨大な手間と資金が必要になる。
今のところ、中国はやりきるだけの体力がありそうなんだけど、多分、韓国は5Gへの切り替えは容易には進まないんじゃないかな。