gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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トランプ米大統領、イラン核合意を破棄する見込み=仏大統領 | ロイター

[ワシントン 25日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は25日、トランプ米大統領は2015年にイランと欧米など6カ国が結んだ核合意を破棄するだろうと述べた。
トランプ大統領は、5月12日までに核合意における欠陥を修正するよう欧州の当事国に求めている。
訪米中のマクロン大統領は記者会見で、この日までに破棄が決定されるかどうかは分からないとした。「米国の判断がどうなるかは不明だが、トランプ大統領の全発言を理論的に分析した結果では、包括的共同作業計画(JCPOA)にとどまるよう全力で努力するとは思えない」と述べた。

https://jp.reuters.com/article/iran-nuclear-macron-idJPKBN1HX05C

イランの核開発は、ある意味では中東の北朝鮮問題とも言える。
イランはNPT体制を支持しつつも、兵器級と言うには全く足りないが、原発に利用するには不相応に高濃度なウランを濃縮する施設を建設した事で、アメリカが核開発疑惑を持ち、疑惑にも拘らず、経済制裁を掛けた事が始まりとなる。
この背景には、アメリカと友好関係にあるイスラエルとイランの対立があり、核を保有しているイスラエルと、イランが対立するなら、イランが対抗しての核保有を目指す事は、十分考えられる話である。
実際、同様の理由で韓国はNPTに加盟しながら、濃縮ウランを生成しようとしてアメリカに怒られている。
元々がイスラエルの核保有が、周辺国の危機感を高めている訳だから、イランに近い立場の国々は、アメリカでは無くイランを支持していた。
ここで話がややこしくなるのが、シリア動乱である。
シリア動乱の結果、中東におけるアメリカのプレゼンスが低下する一方で、ロシアの存在感が増した。
中国とロシアは、イランを支持しており、もしアメリカがイランを攻撃したり、イスラエルの攻撃を支持するなら、中露はイランに協力する、として武力行使を選択肢として取れなくなった。
そこで、欧米…特にチキンなオバマは、妥協の産物として、イラン核合意を成立させたのである。
この合意は、イランの核開発について、欧米の査察受入れや、過剰な濃縮設備の破棄を認めさせた一方で、イランの核開発自体には制限を設けないものであり、かつて北朝鮮が六者会合で合意し、何度も反故にして、とうとう核保有に至った「時間稼ぎ」と同程度の期待しか出来ないシロモノだった。
六者会合を「北朝鮮の時間稼ぎ」と切って捨てたトランプから見れば、イラン核合意も「無駄で無意味な時間稼ぎ」以外の何物でもないのだから、破棄という判断は、トランプとしては当然なのである。
…まあ、この結果を見る限り、トランプ「も」前政権の合意を平然と切り捨てる「無法者」だから、どんなに北朝鮮アメリカに譲歩した条件を付けても、本丸である「核兵器の永久放棄」という条件を完全に丸呑みしない限り、トランプは「合意を反故」にするだろう。
つまり、米朝会談が成立したとしても、そこでどんな合意が成立しようとも、トランプは常に「北朝鮮への攻撃」というカードは手放さない、と言う結論になる。
これだけ日本の隣国に関わる問題、それも核兵器と言う戦略レベルの問題が持ち上がっている状況で、モリカケとかセクハラ問題が、一番報道されていると言う現実に、若者がどれだけ冷ややかな視線を向けているのか、いい加減、老害マスゴミは気付こうぜ…。