gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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インドのスホイ30レーダー、中国ステルス機を探知 - Sputnik 日本

探知に成功したのは、インドとの国境沿いの基地に配備された中国機が山岳地帯で殲10と殲11(J11)戦闘機と模擬空中戦が行っていたとき。スホイ30MKIはインド領空内からステルス機の演習を監視していた。インド空軍のアルプ・シャハ司令官は「スホイのレーダーには彼らが見える。中国の新型機はそれほどステルスではない。探知に何らかの特別な技術は必要ではない。殲20は通常のレーダーでも探知される」と指摘した。
インド軍司令官らによると、中国軍が国境沿いで行った演習の目的の1つは、インド防空システムを研究し、隣接する領土への秘密の侵入経路を探すことにあった。
中国の第5世代多用途戦闘機「殲20」はステルス技術を用いて作られた。同機は2017年に配備され、9機のプロトタイプと本格生産前の2機が生産された。

https://jp.sputniknews.com/asia/201805204895559/

予想はしていたけれど、やっぱりか。
インドのSu30MKIは、イスラエル製の電子戦システムを装備しており、ロシアの同型機よりレーダー性能は高いものの、AESAではなくPESAレーダーであり、第4.5世代機の中ではAESAレーダーを標準とするF2改やらF16E/Fより1枚落ちる索敵性能の機体となる。
そして、「インド領空内から探知」出来ると言う事は、少なくとも短距離AAMではなく、中距離AAMの射程で探知可能と言う事だ。
F35級のステルス性能だと、通常のレーダーなら短距離AAMの射程(5-20km)というか、機関砲の射程(1.5-2km)でやっとという索敵距離となり、対ステルスを謳ったロシアのレーダーでも、ギリギリ中距離AAMの射程である20−40kmの距離で索敵できれば御の字、と言う世界。
もし、J20がF35級のステルス性能だとしたら、「インド領空内からSu30MKI戦闘機のレーダーで探知」なんて不可能なのだ。
逆に言うと、Su30MKIのレーダーで、「インド領空内から探知」できるなら、殆ど現行機と同然…下手するとF2やEF2000よりも、分が悪い可能性すらある。
ニュース元が、誤情報の多いスプートニクと言う事で、鵜呑みにはできないけれど、「インドからの情報」という部分が正しければ、あながち的外れって事も無いのではないかと思う。
もしかすると、F15SE*1のように「正面だけステルス」なのかも…。
正式採用されたJ20でその体たらくなら、輸出専用に回されたJ31のステルス性能は推して知るべし、と言う事になる。
日本がF35Aを採用したのは、中国にとっては、意外に重たい話だったのかもなぁ…。
追記。
某まとめで「レーダーリフレクター付けてるだけだろ…」というコメントがあったが、記事を読めばわかるとおり、非ステルス機とステルス機の模擬戦なら、当然レーダーリフレクター付けないし、インドの防空網の研究が目的なら、レーダーリフレクターを付けるのは逆効果となる。
あえて低い性能を見せつける、と言う欺瞞もあり得るが、それぐらいなら「隠したまま」の方が利益は大きいので、インド国境付近にJ20を展開する意味が無い。*2
つまり、レーダーリフレクターを付けていた可能性は低い。
インド相手に舐めプしすぎて失敗した案件じゃないかなぁ。

*1:幻のF15E系列ェ…。韓国が珍しく地道な根回ししてアメリカから最新技術を供与して貰えたチャンスを、自らの手でぶち壊した事で消え去った可能性。完成していれば、アメリカ空軍のF15E用パーツとしてボーイングとKAIの共同開発したコンフォーマル・ウェポンベイが正規調達された可能性だってあったのに…見た目はスマートなF15って感じでとてもカッコイイ

*2:中国の主力機はJ11とJ10であり、性能が知られているJ11で済む話を、わざわざJ20でやったのだから、ステルス性能に依存する何か、を試したかったと言う方が妥当性が高い