gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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F-2戦闘機のデータリンク付加12機を契約 – 旅行業界・航空業界 最新情報 − 航空新聞社

防衛装備庁は先頃、F-2戦闘機の能力向上の一環であるデータリンク装置(JDCS(F))搭載改修12機につき、三菱重工と21億9755万520円で契約した。国産のデータリンク装置である自衛隊デジタル通信システム(戦闘機搭載型)、略称JDCS(F)は、米国から導入されるリンク16と比べ、僚機間の情報共有は自衛隊内に限られるものの、搭載機側の電子計算機負荷が少なくなるように工夫され、F-2戦闘機のほか、F-15非改修機(プレMSIP機)にも搭載可能と言われる。

http://www.jwing.net/news/1538

最近はF35とかF3だとか、最新鋭機の話ばかりだったけれど、F35A調達決定の裏側で、従来のF15JやF2のパワーアップも粛々と実行されている、と言うニュース。
2011年に第4次FXでF35Aの調達が決まった時点で、日本の空自機の老朽化、陳腐化はかなり酷い事になっていて、2011年時点でF2は

JDAM対応機		…0機
AAM4運用能力対応機	…4機
JDCS(F)搭載機	…0機

とまあ、ほぼ2000年に採用された時点の性能と変わらない状況だったのが…

JDAM対応機		…47機
AAM4運用能力対応機	…65機
JDCS(F)搭載機	…18機

と、2017年度内までに、過半数が最新世代のAAM運用能力を得て、半数が精密誘導爆弾を運用でき、2割が空自限定とはいえ、データリンク機能を向上させた。
AAM4が撃てるなら、J10相手に十分対抗が出来るので、7年前に比べると飛躍的な戦力充実が出来たと言うべきだろう。(7年前が酷過ぎたという説もある)
本来なら、全機改修済みになっていて欲しいのだが、予算もあるし、何より一度に大量の機体を纏めて改修してしまうと、改修が終わるまで、実際に運用できる機体が不足してしまうから、是非も無い。
ちなみに、F15Jも「F−15J/DJ新型空対空ミサイル対応改修」が進められているらしいが、こちらは改修機の数は非公開らしい。
ただ、J−MSIP機に対する「形態一型」改修が行われたのは、2008年までに「僅か8機」。
その後の「形態二型」改修は、2011年に第4次FXでF35Aの調達が決まった時点で、AAM4を発射できるF15Jは、「たった22機(改修中は30機)」しか居なかった。
これも、2016年時点では、64機が改修済みとなり、28機が改修中である。
最終的には92機が「形態二型」となる。
約7年で、老朽化して陳腐化していた航空戦力が、一気に160機近くも「復活」した訳で、2023年までには、F35Aが40機揃う。
これで、なんとか「正面戦力200機*1」の「研ぎ直し」が終わると言えよう。
個人的に、中国が暴発するのは2025年頃だと予想しているので、本当にギリギリだった。
…問題は、アップグレードできないPre−MSIP機F15J約100機の代替だけど…、記事にあるとおり、JDCS(F)を載せて、ある程度の性能向上は見込めるが、それをする価値があるかが微妙。
モッタイナイ、と使い続けるには周辺情勢が不穏過ぎるから、素直にF35で代替しかないだろうなぁ…。
F3を開発するにしても、調達開始は2030年代、F2の代替からだし。

*1:本来なら350機なんだけど…せめてF2は全機改修したいものである