gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

トランプ氏「北朝鮮と世界にとって大きな後退」 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

【ワシントン=大木聖馬】トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで記者団に対し、6月12日にシンガポールで開催が予定されていた米朝首脳会談を中止する考えを表明した。
これに先立ち、ホワイトハウスはトランプ氏が北朝鮮金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長に宛てた書簡を公表した。
対話による北朝鮮の核・ミサイル問題の解決の機運が高まっていた米朝関係は、重大な局面を迎えた。
トランプ氏は会談中止について、「これは北朝鮮にとっても世界にとっても大きな後退だ」と記者団に述べた。マティス国防長官らと協議したことを明らかにし、「米軍は世界で最強だ。必要であれば、(軍事的措置の)準備はできている」と強調。一方で、「金正恩氏が対話を選ぶなら、私は待っている」とも語った。

http://www.yomiuri.co.jp/world/20180524-OYT1T50138.html

トランプ(さんかっけー)
アメリカとしては、「対話の姿勢を見せた」という体面を保ちつつ、「対話できないのは、北朝鮮の準備不足」として対話を蹴り、「アメリカの意図を無視して仲介した韓国の面目を完膚なきまでに叩き潰した」という、実に判りやすい「倍返しだ!」である。
会談の約2週間半前という、「ドタキャン」は、外交的に見ても相当に非礼であり、しかも相手に非を鳴らしている訳で、「対話の準備を整えた」とドヤっていた韓国大酋長は、トランプのこの発言によって、アメリカと北朝鮮の両方に謝らなければならない立場へと追い込まれた。
もし、これでトランプを非難するような発言をすれば、嬉々としてトランプは「韓国はレッドチームへ行った」と判断して、在韓米軍の撤退をちらつかせるだろう。
一貫して北朝鮮の対話路線を警戒し続けた日本政府の面目は保たれ、北朝鮮との対話路線を絶賛し、ジャパンパッシングと騒いでいたアベニクシーとマスコミは、はしごを外された。
いやー、まじたのちい。
追記。
Togetterまとめで、幾つか関連まとめがあって、たまたまアベニクシー側がまとめた奴を見たんだけど、超理論過ぎて意味不明だった。
彼らの理屈だと、「トランプ(アメリカ)が北朝鮮の核放棄を全力でやってる訳じゃなくて、ポーズである」「故に、米朝会談中止は、交渉の為のブラフ」「こんなのをまともに受け取る安倍信者はアホ」という話らしい。
…トランプが当事者である韓国より熱心に、北朝鮮の核問題に取り組み、中国やロシア相手に一歩も引かずに強硬路線を貫いている現実は、全く見えていないらしい…。
ぶっちゃけ、中露は親北だし、韓国大酋長が北のシンパだから、トランプが問題提起していなければ、日本単独で騒いでも、誰にも相手にされない問題なので、トランプが「ポーズ」でやるなら、トランプが居なくても炎上しているシリアでやった方が安上がりなんだぜ?
同じニュースを見ていても、手持ちの前提情報が違えば、こうも受け取り方が変わると言うのは、面白い話だと思う。

追記
関連:北朝鮮、「いつでも」対話する用意ある 首脳会談中止発表受け - BBCニュース

24日にドナルド・トランプ米大統領米朝首脳会談の中止を表明したことを受け、北朝鮮の金桂冠(キム・ケガン)第1外務次官は、「いつでも、どのような形であっても」米国と対話する用意があると述べた。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が25日、伝えた。
金次官は中止表明について、「極めて遺憾だ」と述べた。
トランプ大統領は中止を決めた理由として、北朝鮮の「あからさまな敵意」を挙げていた。中止が表明されたのは、北朝鮮が同国北東部の豊渓里(プンゲリ)にある唯一の核実験場の破棄を約束どおり実施したと発表してから、数時間後のことだった。
会談中止の通知はトランプ大統領から金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長にあてられた書簡の形で発表された。
ある米政権高官は、北朝鮮側に「深刻な誠意の欠如」があったと指摘した。高官が記者団に語ったところによると、首脳会談の準備を進めるなかで、大統領次席補佐官を北朝鮮との協議のためシンガポールに派遣したものの、北朝鮮の担当者は欠席したという。
北朝鮮側は姿を現さなかった。我々はただ単にすっぽかされた
(後略)

http://www.bbc.com/japanese/44248835

北朝鮮って、マジ馬鹿と言うか、今まで米中露の3大ビックパワーの内、中露を背景にして、日米の寛容さに甘えたチンピラ外交しかしてこなかったから、「トランプが何でトランプの署名入りの書簡で中止を申し渡したのか」という意味を理解してない。
今までの調子でアメリカから譲歩を引き出そうと、米韓演習に不満をぶちまけ、稚拙にもシンガポールでの実務協議を「すっぽかす」という外交非礼をやらかした。
トランプが自身の署名入りの書簡で伝え、なおかつ内容を世界に公開した、と言うのは、いともたやすく反故にされる実務交渉者レベルの口約束なんて、これっぽっちも相手にしない金正恩の言質とってケツ持って貰ってから話を持って来い、と明言したに等しい。
にも拘らず、「第1外務次官」なんて木端役人に「イカン」とか「タイワノヨウイ」とか言わせたところに、北朝鮮の外交の稚拙さと言うか、現状認識の甘さがある。
中国やロシアが図々しい主張を恥ずかしげもなく開陳して、世界が黙っているのは、両国が「常任理事国」という名前の、世界有数の軍事国家で、横車を押し通すだけの武力を持って居るからに過ぎない。
同じことを北朝鮮などの失敗国家がやって、許されていたのは、欧米政治屋の「善人ぶりっ子」が理由でしか無かった訳で、その建前を鼻で嗤うトランプに通用しないのは、言うまでも無い。
そろそろツーアウト。
北朝鮮は、追い詰められつつある。