gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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F-35「ビーストモード」は通常の4倍! 完全作戦能力獲得で見えてきたものとは? | 乗りものニュース

(前略)
ロッキード・マーチンF-35「ライトニングII」ステルス戦闘機が2018年4月に初期開発段階であるシステム開発実証(SDD)を終え、いよいよ「完全作戦能力(FOC)」獲得が目前となっています。
2018年7月現在「F-35」というシステムの中核となるミッション・コンピューターは、限定的な対空・対地攻撃能力が付加された「初期作戦能力(IOC)」を実現する「ブロック3i」ソフトウェアによって動作していますが、本年中に新しいソフトウェア「ブロック3F」へアップグレードされることによって、完全作戦能力が付加される見込みです。
F-35はA/B/C型と3機種存在し、それぞれ能力が異なりますが、アメリカ空軍や航空自衛隊が配備する陸上戦闘機型F-35Aであれば、ブロック3FソフトウェアによってG制限が9Gへ拡張され、またこれまで使用不可能だった機関砲の射撃能力が付加されるなど、いよいよ戦闘機として本格的な能力を発揮できるようになります。
こうした新しい能力のなかでも、ひときわ面白い機能が「ビーストモード」の実現と言えるのではないでしょうか。F-35はこのビーストモードによって攻撃力を数倍に高めることが可能となります。
(中略)
F-35のビーストモードとは主翼下左右それぞれ3か所ずつ設けられた兵装搭載ステーションに爆弾や空対空ミサイルを搭載することを意味し、胴体内部の兵装庫(ウェポンベイ)のみに格納した場合にくらべ4倍もの兵装搭載量を実現できようになります。
(中略)
空対空ミッションであれば視程距離外空対空ミサイルAIM-120C/D アムラーム14発+短距離空対空ミサイルAIM-9Xサイドワインダー2発の搭載が可能となり、また空対地ミッションではアムラーム2発、サイドワインダー2発、JDAM 908kgGPS誘導爆弾6発が搭載可能としています。
(後略)

https://trafficnews.jp/post/80944

ぶっちゃけ、F16C/Dだって、実用を度外視した最大搭載数ならAAM8発までイケるし、F18E/Fなら、最大14発まで搭載可能だ。
F18E/Fの数字は、ビーストモードのAAM14+2の計16発に比べても、ほぼ遜色が無い数字と言えるだろう。
しかし、実際の空対空ミッションでは、多くて8発、普通は6発程度しかAAMを積まない。
理由は簡単で、任務に応じて最適になるように、搭載武装をカスタマイズしているからだ。
例えば、格闘戦が予想される邀撃任務で、武装搭載限界までミサイルを積めば、無駄な重量によって格闘戦性能が落ちる事は、言うまでもない。
一方で、航空優勢が確保された爆撃任務なら、航続距離が許す範囲で目一杯の爆弾を抱えて行くなんて構成も、ありえるだろう。
そもそもの話、「胴体内部の兵装庫のみに格納した場合の4倍」というのは、兵装庫の容量が小さい*1から、目一杯積んだら4倍にもなったと言う、自慢にもならないオチである。
加えて言うなら、「兵装庫に最大6発のAAM*2」という数値自体、上に挙げたとおり、通常の空対空ミッションでは、それだけの武装があれば必要十分だったと言う戦訓から逆算された仕様なのだ。
「武器を一杯積んだら、戦闘力4倍のビーストモード!(ドヤッ)」という話は、ほとんどハッタリとか、素人を騙す為のレトリックのようなもので、実際にはあまり意味の無いネタだと言える。
なお、日本が調達しているブロック3i*3だが、短距離AAMであるAIM9の運用能力が無いだけでなく、機載ガンも使え無い仕様なので、所謂スクランブル任務、アラート任務には従事できない。
…そもそも、ステルス機で相手に存在をアピールしなくてはならないアラート任務すんな、という話ではあるが。
話が逸れたが、結論を言うなら、ビーストモードはネタモード。
V2ガンダムアサルトバスターは純粋に火力と装甲UPの強化でロマン兵器だけど、F35ビーストモードは、単に「積めるだけ弾薬積みました。航続距離?運動性?なにそれ美味しいの?」というギャグネタである。

*1:AAM4発…後述する特殊なランチャーを使えば、AIM9を2つのハードポイントに4発搭載して、最大6発までイケるが、開発中である

*2:特殊な専用ランチャーでAIM9を4発、AIM120を2発

*3:ブロック3Fのソフトウェアは有償で別途購入しなければならんと言う噂ェ…