gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ASCII.jp:ソニー1人負け スマホ業界の明暗 決算でくっきり|石川温のPCスマホニュース解説

(前略)
スマホ業界で勝ち組と言えば、時価総額1兆ドルを超えたアップルだろう。
(中略)
IDCの調査によれば、4〜6月のスマホ出荷台数シェアにおいて、これまで2位だったアップルは12.1%で3位に後退している。20.9%のサムスン電子に続き、15.8%で2位にランクインしたのは中国・ファーウェイだ。
(中略)
ファーウェイの強みはエントリーモデルからハイエンドまで幅広いラインナップをそろえている点にあるだろう。
(中略)
ただ、ファーウェイはいまだにアメリカ市場に本格参入できていないという弱点も存在する。
(中略)
一方、ファーウェイの勢いに押されっぱなしなのがサムスン電子だ。
モバイル事業の営業利益は昨年同期比で34%も落ち込んでいる。サムスン電子ではフラグシップモデルであるGalaxy S9が販売目標に届かず、販促費もかさんだことが要因と説明しているという。
(中略)
悲喜こもごものグローバルメーカーたちであるが、もはや「一人負け」の雰囲気が漂っているのがソニーだ。
(中略)
販売台数を見ても、昨年同期は340万台から今期は200万台にまで落ち込んでいる。
フラグシップモデルである「Xperia XZ2」が思ったほど売れていないのだろう。
(中略)
ソニーがモバイルで復活するためには、市場のニーズにあった商品を出せるかがカギだろう。やはり安価で手軽に手に入れられるソニースマホが求められているのではないか。
(後略)

http://ascii.jp/elem/000/001/721/1721190/

アップルを勝ち組呼ばわりしている時点で、一体どんな分析だよ、と。
時価総額が増えてるのは、アメリカの株式市場とか投機マネーとかの話で、iPhoneがスマホ業界で最強だからって訳じゃない。
むしろ、iPhone6S以降はずっとシェアを落とし続け、過去の遺産で食ってる状況。
ファーウェイとサムスンが業績を伸ばしてきたのは、記事にある通り幅広いラインナップがあるから。
特にファーウェイにおけるローエンドのコストパフォーマンスの高さは他社の追随を許さず、サムスンはハイエンドとミドルエンドを中心に売り、凌いでる状況だ。
これが出来るのは、ファーウェイもサムスンも、国策企業で政府資金が兆円単位で入ってる超巨大企業だから、と言う点が大きい。
ソニー(売上8.5兆円)も全体を見れば巨大企業だが、スマホソニーモバイルコミュニケーションズ(売上8000億円)というソニー本体とは別の会社が作っている訳で、ファーウェイ(売上3.9兆円)やサムスン(売上19兆円)に比べた場合の企業規模は、蟻と巨像程に違う。
サムスンソニーと同様の総合家電メーカーだが、スマホの「利益」が全体の3割を超えるという、スマホ偏重の総合家電メーカーなので、同列に論じられないのは言うまでもない。
そんな状況だから、もし薄利多売で在庫リスクの高いローエンド商品をソニー…というかSMCが作ったとして、今更シェアを回復できる見込みは小さい。
体力勝負では、絶対にファーウェイにもサムスンにも勝てないからだ。
そもそも、途上国向けのローエンド需要は一巡して、去年あたりからスマホ全体の販売台数が減ってる状況で、ローエンド参入とか自殺行為としか。
既に全体シェアの1%となり逆転の目は無く、利幅が大きいハイエンドを少数作って売った方がリスクは小さい、と言うのが本音だと思う。
ソニー本体は、スマホ事業からの撤退を考えているという噂も去年あたりから出ていた事もあるし、現状ですら良く頑張っている、と言わざるを得ない。
ただまあ、純粋なハイエンドと言われると、色々と足りていない、iPhoneと同様に保守的な設計に堕している一面は否定できないので、もう少しやればできる子なんだから、という気持ちはある。
筺体がデカいとか、全画面じゃないとか、その辺はまだしも、元デジカメメーカーで、スマホのカメラ部品ではトップ技術とシェアを持って居る癖に、自社のハイエンド機で2眼搭載が最後発ってのは、恥ずかしいと思わなきゃ。