gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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中国が極超音速飛翔体兵器の実験に成功 MDでの撃墜は不可能らしい : 大艦巨砲主義!

【北京=西見由章】中国航天科技集団公司の研究機関は3日、中国が次世代の戦略兵器として開発を進める「極超音速飛翔(ひしょう)体」の飛行実験に成功したと発表した。同兵器の実験に関して公表されたのは初めて。
発表によると、「星空2」と名付けられた飛翔体はロケットで予定の高度まで打ち上げられた後、高度30キロをマッハ5・5〜6の速度で飛行した。6分以上飛行したという。
極超音速飛翔体は大陸間弾道ミサイルICBM)と同様、地上から打ち上げられた後、近宇宙空間で切り離されるが、超高速で自由に運動しながら滑空するため、現在の米国のミサイル防衛(MD)では撃墜不可能とされる。中国のほか米国やロシアも開発を進めている。
米メディアによると2014年1月、中国上空で同兵器の実験が行われたのを米軍が探知し、速度はマッハ10に達したとされる。

https://www.sankei.com/world/news/180805/wor1808050003-n1.html

安定の産経ソースなので、それほど不安視する必要はない。
極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)自体は、記事にある通りアメリカも研究中だし、ロシアも空中発射型の弾道ミサイル極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)と称して発表する等している。
ICBMの終端速度級のマッハ20とかだと、MDですら迎撃が困難だが、マッハ6程度なら既存のMDや対空ミサイルで迎撃できる速度である点。
極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)は、ある程度の軌道変更能力があるから、弾道飛行を前提としたMDだと迎撃が難しくなるのだが、大気圏内で極超音速の飛翔体が軌道遷移するのは非常に難しかったりする。
下手に軌道を変えようとするだけで、自壊するから。
結局、軌道遷移能力と命中率を両立しようとすると、飛行速度を下げなければならず、飛行速度を下げると、今度は迎撃されやすくなってしまう。
アメリカですら、極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)が研究中ってのは、そういう事で、ロシアが実用化したと豪語する極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)は、結局は空中発射型の弾道ミサイルだった。
多分、中国も同レベルじゃないかと。
問題は…というか、この兵器は元々は弾道ミサイル発射が、例え通常弾頭型だったとしても、核戦争を誘発しかねないって言うから、弾道ミサイルに代わる防御不能な通常兵器として使えるように開発を始めた物だったのに、ロシアが核搭載型の極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)を発表してしまった為、これすらも使えば即座に核戦争の危機、と言う兵器になってしまった点。
アメリカとしては、MD技術に立ち遅れる中露を相手にする限り、核兵器弾道ミサイルがあれば必要十分という思想だったので、極超音速飛翔体(hypersonic glide vehicle)核兵器を搭載する予定は無かったから、今の流れだと開発する意義が殆ど無くなってる。
しかし、中露が開発して核搭載してくる以上、アメリカも迎撃手段も含めて開発しない訳には行かない。
今のところ、迎撃手段として有望なのは、レールガンとか、超高速発射弾(hyper velocity projectile)辺りになる。
弾体の価格優位はレールガンだけど、既存の砲で撃てる超高速発射弾(hyper velocity projectile)は、システム全体ではコスト優位っぽいので、どっちになるかは判らんけど、個人的にはレールガンを実用化して欲しい。