gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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CNN.co.jp : ロシアの新型潜水艦は「脅威」、米軍司令官が警告

(CNN) 米軍のジェームス・フォゴ欧州軍海軍司令官(海軍大将)は7日までに、ロシアの海軍戦力に触れ、一部の最新型潜水艦や巡航ミサイルの脅威への懸念を表明した。
国防総省で記者団に述べた。司令官は老朽化した空母を含むロシア海軍海上戦力については脅威はほとんどないとし、主力艦の性能についても強固なものはないとも明言した。
フォゴ司令官はその上で、ロシアは新型のドルゴルーキイ級やセベロドビンスク級の潜水艦の他、キロ級の新たなハイブリッド型潜水艦も建造したと指摘。キロ級の潜水艦6隻は既に「黒海や地中海東部」に出動しているとし、非常に高性能とする独自開発の巡航ミサイル「カリブル」を発射していると説明した。このミサイルは欧州諸国の全ての首都を射程内に収めているとの警戒感も示した。
ロシア潜水艦のこれら戦力は北大西洋条約機構NATO)加盟国にとって懸念材料となっているとし、潜水艦の展開場所を常に把握する必要性に言及。そのためには対潜戦闘能力を高めるため米国と同盟国の投資拡大が必要と提唱した。
フォゴ司令官は、イタリア・ナポリNATO統合軍司令部の司令官も兼任する。
同大将はまた、今月25日から開始予定のNATO合同演習「トライデント・ジャンクチャー」にも言及。加盟国に加え、非加盟のスウェーデンフィンランドからの兵士を含め約4万5000人が参加するとした。
ノルウェーや大西洋北部、バルト海で実施される同演習は2002年以降ではNATOで最大規模になるとし、航空機150機、艦船は60隻、車両は最多で1万両動員されると述べた。

https://www.cnn.co.jp/world/35126666.html

かつての中国が、圧倒的優勢の米海軍に対抗する為、大量の潜水艦を配備し、水上艦は老朽化に任せて殆ど更新していなかったのは、潜水艦だけが唯一、圧倒的優勢の米海軍に対して、一矢報いる可能性がある艦種だったからで、ソビエトから購入した改キロ級とかは、中国の潜水艦に大きな影響を与えた。
…時代は下って現在。
ロシアにおけるソビエト時代の遺産(兵器)は老朽化だけでなく性能の陳腐化も進み、00年代後半の原油高で息を吹き返した後は、老朽化した核戦力(ロケット軍)から真っ先に手を付けて再建を進め、航空機や地上戦力までは更新を進めているものの、ウクライナ問題で経済制裁を食らった後、シェール革命と産油国の戦争で原油価格下落のダブルパンチで経済危機に陥り、再び軍拡どころでなくなったロシアは、限られたリソースでアメリカに対抗すべく選択したのが、「潜水艦戦力の増強」に走る事になる。
最近は、元々ロシアが始めた事ながら、潜水艦に巡航ミサイルを載せて対艦から地上攻撃まで出来る多用途攻撃艦が流行っている事もあり、ロシアの水中戦力は侮れないものになっている訳だ。
しかし、中国やロシアと言ったランドパワー国家において、海軍は実はあまり頑張る必要が無い軍隊であり、過去の事例から考えると、海軍に力を入れ過ぎれば、経済破たんしてコケる。
その意味で、中国が潜水艦に限定した海軍増強に努めていたのは賢明であり、正しい選択であったが、バブル経済に浮かれてソビエトと同じ轍を踏んでいるのが、現在で、そして今のロシアが中国の歩んだ道を歩き直しているのは、歴史の皮肉と言うべきか。