gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「豪潜水艦事業に異議あり」 R・パトリック上院議員インタビュー - NNA ASIA・オーストラリア・政治

新型潜水艦の設計・建造事業を勝ち取ったフランス政府系ネイバル・グループ(Naval)と、オーストラリア政府の建造前契約交渉が難航している。その中で、入札の透明性や潜水艦設計に依然として強く異議を唱えているのが、センター・アライアンス党のレックス・パトリック上院議員だ。
(中略)
――パトリック議員は以前、ネイバルが事業を落札した後で、オーストラリアによる設計・建造関与の義務がなくなっていたことを暴露されましたね。
オーストラリアの造船会社ASCではなく、ネイバルが自社で建造することが明らかになったのは昨年6月に開かれた上院の小委員会でした。私が情報公開請求で入手した資料で分かりました。我々だけでなく、上院議会全体も驚きでした。
(中略)
ネイバルのオーストラリア部門責任者であるショーン・コステロ氏は入札前に、現地生産比率を90%と言っていました。今は、かなり低く言っているでしょう。保守的な日本企業が受注していれば、発言に責任を持ち、一度90%と言及したら後になって変えるということはなかったでしょう。
(中略)
――パトリック議員としては、なぜ日本が漏れたと思いますか?
私は日本には何度も行き、潜水艦の造船場を視察したこともあり、優秀なメーカーや産業があるのは知っています。日本にとって今回は外国に潜水艦を提供する初めてのケースで輸出経験がなかったため、競争入札という形式は理想的ではなかったでしょう。しかもオーストラリア内で多くの圧力があります。分け与えられるパイも少ない、というのも日本側としても受け入れ難かったでしょう。
(中略)
――中国からの圧力は考慮されたと思いますか?
実際にあったかどうかは分かりませんが、その可能性はあると言えますね。報道ベースで中国は日本が受注することへの懸念は示していましたが、実際の圧力があったとすれば、外交ルートを通じてかけていたでしょう。
(中略)
――ところで潜水艦のプロジェクトのコストは1,000億豪ドル(約8兆300億円)を突破すると懸念されています。これは地元ASCによる建造が含まれるからではないのですか?
はっきりさせておきたいのは、その1,000億豪ドルの内訳は、建造コストと買収コストが合わせて500億豪ドル、残り500億豪ドルは、運営・維持コストです。これが世界一高い潜水艦プロジェクトと言われる実態です。ASCとは関係ないです。なぜそんなに高くなっているのか国防産業省に追求しています。
数週間前、ドイツが12隻の潜水艦を200億豪ドル未満でできると確約していたことが確認できました。500億豪ドルと200億豪ドルでは莫大な違いがあります。
(中略)
――個人的な推測ですが、将来的に必須となる原子力潜水艦の選択がドイツと日本になかったからではありませんか?
その説が確かに一部で言われているのは知っています。ただし、まずオーストラリアには原子力産業がないのは致命的です。運用ができないのに原潜は導入できません。原潜を持ちながら原子力産業がない国もありません。
(中略)
――今回の事業はどういうあり方が理想的でしょうか。
この潜水艦プログラムは2032〜35年くらいに納入になるものです。オーストラリア北東にある珊瑚海にはロシア船が出没し、ロシアは既にフィジーにロシア戦艦の使用を提案しています。中国もバヌアツと戦艦に関する協議をしているし、東ティモールには中国のソフトパワーが忍び寄っています。南沙諸島では既に直面している中国を巡る問題が目の前にあります。つまり、オーストラリアが次に導入する新型潜水艦は、わが国を守るという目的で「現実的にすぐに対応できる」という必要があるのです。
(後略)

https://www.nna.jp/news/show/1803682

流石フラカス、契約時に持ちかけていた「オーストラリアで建造します、技術も全部移転します」っていうセールストークを契約後にひっくり返すとか、やっぱりフラカスってフラカスだなぁ
あと、この議員が言うとおり、日本はこの入札が「受け入れ難かった」のは事実。
この輸出は整備維持の為に「技術移転」を前提にした輸出なので、日本にとって虎の子である潜水艦輸出に関しては、当初は「入札なしで完成品輸出なら」と言う話だった。
…のに前提がひっくり返ったので、三菱と川崎がオーストラリアに他の入札企業と共に呼ばれた際には、はっきりやる気が無い態度を示していた。
それを安倍首相が、仲介したアメリカのメンツを立て*1、政治主導で両社に無理を飲ませて、現地製造の話にまで落とし込んだ訳で、ここまでやって失注した日本は、内心ではラッキーという気持ちであったが、国としての面目は潰されている。*2
今さらネイバルが蹴られたとしても、日本が応札するとか都合の良い話は、無いと思う。
そもそも、12隻で500億ドルってのも、クッソ高いよね。
アメリカですら高すぎて調達を止めたシーウルフ級が、1隻21億ドルだったんだけど、オーストラリアがフランスから調達する価格は、その倍以上。
ドイツの提示した200億ドルでも、1隻16億ドルでバージニア級原潜よりも高い。
技術移転や、現地での建造費も含む金額とは言え、自国で兵器を作れない国は、悲惨だのう…。
というか、記事では否定されているけれど、フランスの値段は、原潜に関する技術移転とか、途中から原潜に切り替えるとかいう密約でもなければ、ドイツの価格より2.5倍高いフランス製なんて、普通選ばないやろ…。

*1:にもかかわらず、オバマはその労を無視して最後まで親中の立場だった

*2:事実、マスコミは嬉々として安倍叩きのネタとして利用した