gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「日本国キログラム原器」を公開 定義変更で“お役御免” - 共同通信 | This kiji is

重さの単位キログラムの定義変更が国際度量衡総会に諮られるのを前に、産業技術総合研究所茨城県つくば市)は12日までに、現在の基準となっている金属製分銅「日本国キログラム原器」を報道陣に公開した。新定義でも1キロの重さは変わらないが、定義の変更が決まれば、来年5月でお役御免となる。
フランスでの総会で日本時間今月16日夜、投票にかけられる。産総研の倉本直樹・質量標準研究グループ長は「(定義変更でも)日本国原器は完全に引退するのではなく、非常に優秀な分銅として新たな役割を果たす予定だ」としている。

https://this.kiji.is/434653092552082529?c=39546741839462401

この「キログラム原器」は原器の大元である「国際キログラム原器」の複製が最初に40個作られた際に、日本は6番、30番、39番を保有していたが、39番を韓国に譲渡したあと、複製したE59番、購入した94番と合せて、日本は4個の原器を保有している。
記事にある通り、今のキログラムに合わせて、改めてプランク定数を元にした定義を作った訳で、相対的に「キログラム原器」は「限りなくキログラムに近い分銅」と等価となり、利用価値が無くなる訳では無い。
ちなみに、原器を3個保有するのは、主原器と副原器Aを比較した差と、主原器と副原器Bを比較した差と、副原器Aと副原器Bを比較した差を比べる事で、各原器の質量増減をチェックできるようになるから。
副原器が1つしか無い場合、主原器と副原器のどちらが質量増加したかを、国内だけでは確認できなくなる。
その為、日本が韓国に39番を譲渡した後、複製を譲渡して貰ったり、追加を購入して4個以上にしているのは、そういう事。
ちなみに、韓国に39番を譲渡した後、E59番を得るまで16年掛かっており、その間は日本は副原器1個で校正するしかないという、実に心許ない状態だった。
そして、韓国は1947年に日本から原器を得た後、46年間も39番原器のみで運用されていた。
つまり、「原器が誤差を抱えていても、補正する事無く、全て原器を基準に測定器を校正」していた事になる。
韓国という国で、科学がどれだけ杜撰に運用をされていたかを示すエピソードと言えるだろう。