gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

オーストラリア、次期潜水艦で仏企業と協定 総額3兆9000億円規模 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

オーストラリア、次期潜水艦で仏企業と協定 総額3兆9000億円規模 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【2月11日 AFP】オーストラリア政府は11日、フランスの政府系造船企業ナバル・グループ(Naval Group、旧DCNS)との間で、豪海軍の次期潜水艦の建造に関する戦略的パートナーシップ協定(SPA)に署名した。最新鋭の潜水艦12隻を500億豪ドル(約3兆9000億円)で調達する。活動を活発化させる中国軍などの動向を念頭に、新型潜水艦で太平洋全域ににらみを利かせる構えだ。
豪潜水艦の受注をめぐっては日本とドイツ、フランスが争ったが、豪政府は2016年4月、DCNSを主契約者に選んでいた。
スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は首都キャンベラで行われた署名式で、次期潜水艦の調達は「平時のものとしてはオーストラリア史上最大の防衛投資」の一環で行う「非常に大胆な」事業だと胸を張った。
SPAでは、ナバル・グループのバラクーダ(Barracuda)級原子力潜水艦を基に、通常動力の攻撃型潜水艦12隻を豪南部に新設する造船所で建造する計画。
最初の潜水艦が完成するのは2030年代初めの見通し。ただ、豪北方や東方の海域では米国や中国などが激しい勢力争いを繰り広げているだけに、それでは遅すぎるとの批判もある。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3210568

無事、フランスに決定したようで何より。
ちなみに、オーストラリアの現地生産と言う話は反故にされ、共同開発の話も無くなり、フランスの潜水艦メーカーの「オーストラリア支社」による開発・建造となり、技術移転も当然のように行われない、と言う契約だけどね。
最終的にメーカーや国内世論の反対を押し切って、オーストラリアでの製造や技術移転まで約束した日本は勿論、最初からその辺りを許可していたドイツは、良い面の皮である。
特にドイツの条件は、総費用の点でもフランスの提案よりずっと安く、「現物が無い」という弱点はフランスと同様だったにもかかわらず、蹴られたのは、「フランス最新原潜に使われている技術まで含めた技術移転と現地生産」を約束していたからな訳で、それらが全て反故にされて残ったのは、日独より高く、悪い条件の契約でしか無かった。
土壇場で、ニホンガーという話が持ち上がったのも、契約直前のブラフと言うか、当て馬としてオージーが苦し紛れに口に出しただけなのは明らかだったので、交渉巧者のフランスが動揺するはずも無く、順当に攻めきられた、と言うオチ。
フランス案の売りである、最新のポンプジェット推進にしても、原発による豊富な電力を背景にして高速巡航できるから効率がいいけど、時間当たりの取り出せるエネルギー量が小さいAIP潜水艦では、高速巡航どころか低速巡航しかできない訳で、ろくな結果が出ない事は、推進装置の性質上明らかである。
まあ、オージーが国内製造を諦めても原潜を調達するってんなら、話は別なんだけど…それなら、最初からアメリカから中古のロス級を買えばよかった話。
余談だけど、フランスのシュフラン級原子力潜水艦は、調達価格は6隻で1兆円。
コリンズ級潜水艦更新計画が12隻で3.9兆円のプロジェクトだから、海外調達と言う不利を差し引いても、余裕で12隻全部を原潜で調達できる予算なんだよね…国内建造と言う枷を外すなら。
多分、最初からこの条件で良かったなら、トランプは喜んで中古のロス級どころか、最新ブロックのバージニア級でも売ったんじゃないかな…。