gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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[スキャナー]米朝トップ物別れ 会談2日目…譲歩の「合意文書」幻に : 国際 : 読売新聞オンライン

[スキャナー]米朝トップ物別れ 会談2日目…譲歩の「合意文書」幻に : 国際 : 読売新聞オンライン

ベトナムで27~28日に行われた米朝首脳会談は、共同声明の発表が見送られ、具体的な成果はゼロに終わった。北朝鮮の非核化措置と、米国の見返りをめぐる協議が行き詰まる中、トップ会談による事態打開を狙った双方の思惑は大きく外れた。(ハノイ 豊浦潤一、大木聖馬)
「我々は(会談場を)後にした。非常に生産的な2日間だったが、時には立ち去ることもある」。米国のトランプ大統領は、会談後の記者会見で淡々と語った。
記者会見は、予定時刻よりも約2時間繰り上げて行われた。記者会見の前に予定されていた昼食会と、共同声明の署名式典が中止されたためだ。トランプ氏は米東海岸から東回りで地球を半周し、北朝鮮金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長は平壌ピョンヤンから列車で2日半かけて乗り込んだハノイ会談は、唐突に終わりを迎えた。
正恩氏は、北西部・寧辺ヨンビョンの核施設の廃棄に応じる代わりに、見返りとして対北制裁の全面解除を要求したという。
米側は、非核化を達成するまで経済制裁は解除しないとの方針を堅持しながら、寧辺の廃棄に加えて何らかの追加的な非核化措置を迫る構えだった。
しかし、正恩氏は、米国が求めた寧辺以外のウラン濃縮施設、弾道ミサイル、核弾頭の廃棄や核リストの申告を拒否した。
トランプ氏は「北朝鮮はある地域のかなりの部分を非核化しようとしていたが、そのために制裁を解除することはできなかった」と明らかにした。
双方がハードルの高い要求を突きつけ合い、妥協や譲歩を拒否した結果、米側は会談途中で残りの日程をキャンセルするという異例の決断を余儀なくされた。
首脳会談に向けて行われた米国のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表と北朝鮮の金革哲キムヒョクチョル米国担当特別代表との実務者協議の段階では、米朝間に一定程度の歩み寄りもあった。
日米韓協議筋によると、北朝鮮寧辺の核施設のほかにも、東倉里のミサイル実験場や豊渓里の核実験場の廃棄・査察を受け入れる一方、米側は、朝鮮戦争終戦宣言や相手国への連絡事務所の設置、南北経済協力事業・金剛山クムガンサン観光事業の再開容認を見返りとして検討していた。
トランプ氏は記者会見で「実は合意文書も用意されていた。サインすることはできた」と明かした上で「今回はサインしない方がいいと判断した」と語った。双方が譲歩する形の妥協案は拒否したとみられる。
(中略)
「我々は関係を維持していく。これから何が起こるか見てみよう」
トランプ氏はこう語ったが、3回目の首脳会談を開くかどうかについては正恩氏と約束しなかったことを明らかにした。
トランプ氏は、北朝鮮に非核化を促す最大のテコである経済制裁を維持しながら、粘り強く北朝鮮の譲歩を待つ構えとみられる。このまま決裂するか、北朝鮮が譲歩して新たな合意ができるかはひとまず、北朝鮮側の交渉戦略の練り直し次第と言えそうだ。
正恩氏は今年1月1日の「新年の辞」で「米国が制裁と圧力を続けるならば、新たな道を模索せざるを得なくなる」と述べていた。
しかし、「新たな道」として米本土を狙う大陸間弾道ミサイルICBM)の発射実験など2017年末までの挑発モードに回帰すれば、軍事攻撃も招きかねない。
(中略)
韓国政府関係者は「正恩氏が独裁体制を維持するためには、非核化で譲歩するしか選択肢はない」との見方を示す。
(中略)
日本政府は今回の米朝首脳会談について、トランプ米大統領北朝鮮の非核化で安易な妥協をしなかった点を評価している。北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、今後も日米で緊密に連携していく方針だ。
(中略)
河野氏米朝会談後、外務省内で記者団に「非核化に関する合意に至らなかったのは残念だが、トランプ氏の判断をしっかり支持したい」と語った。「国際社会として核を含むあらゆる大量破壊兵器のCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)を求めている」とも述べた。
(中略)
日本政府内では、今回の米朝会談の結果について「トランプ氏がしっかり交渉した」(政府高官)との受け止めが大勢となっている。
(中略)
拉致問題解決には日朝による直接交渉が必要となる。日本政府は今後の米朝交渉の進展をにらみながら、北朝鮮との交渉ルートを探る方針だ。
(後略)

https://www.yomiuri.co.jp/world/20190228-OYT1T50358/

トランプが、自分の利益に貪欲なビジネスマンであり、目先の利益を求めて妥協するほどの大マヌケでは無かった事は、本当に喜ばしい限り。
ブッシュJrは政治業者だったから、レームダック化した後に成果欲しさに北朝鮮相手に妥協外交を展開し、今の事態を現出させた元凶とも言えるダメ大統領だったけど。
この結果を受けて、日本はトランプを見限らなくて済んだ。
それはさておき、この流れを見ると、どうにもアメリカも北朝鮮も、双方共にこの首脳会談で何らかの合意とメリットが得られるという目算で居た事が伺われるのが興味深い。
だから、トランプは「悪名は得ても戦争より圧倒的に安価で済む金正恩(人造人間19号)の斬首作戦」という手は打たなかったし、金正恩(人造人間19号)も、暗殺のリスクなんて無いかのようにウキウキで首脳会談まで出向いてきた訳で。
しかし、蓋を開けてみれば、北朝鮮は相変わらず核カードを保持したまま経済制裁の全面解除と言う、一歩も譲っていない主張を繰り返すだけだったし、アメリカも核兵器の恒久的全廃と北朝鮮の人道問題の解決と言う、チップの上乗せまでして北朝鮮に譲歩を求めるものだった。
絶対に折り合う筈が無い。
ここで興味深いのか、この期に及んで韓国の楽観を通り越して、「北朝鮮は非核化で譲歩してくれる」なんて妄想を騙っている点だろう。
アメリカは「また」韓国に騙されてしまったのだろう…情けない。
多分、北朝鮮相手には、アメリカが譲歩してくれる、的な嘘を言ってたんだろうなぁ。
ともあれ、アメリカとの和解、韓国との経済協力再開を前提に、韓国と一緒になって日本叩きを再開していた北朝鮮だが、アメリカとの交渉が破局した以上、アメリカだけを交渉チャンネルにしても、らちが明かないと悟っただろうから、中国やロシアも巻き込んでくるだろうし、最もアメリカと関係が悪かった時期に、日本への挑発行為を停止していたように、またぞろ日本への手のひら返しが来そうな感もある。
まず、大前提として「北朝鮮核兵器を対話だけで放棄する、と言う決断は不可能である」というものがある。
中国と同じで、「国民が何万、何百万人餓死しようと、必要だから開発した」ものであり、「核保有したからこそ、アメリカと言う超大国ですら対話に応じた」という、北朝鮮にとってアメリカと交渉する為の「前提」だからだ。
北朝鮮の思考は、こうである。
恒久的な核放棄を実現した後で、アメリカが北朝鮮と言う貧しい失敗国家を相手にする必要が無くなり、アメリカが交渉の手を離したとき、北朝鮮は対話の為に「また、核開発からやり直し」になる、と。
この時点で、「恒久的な核放棄」と言う選択肢は「条件的にデッドロック」していると判るだろう。
アメリカや日本を始めとした西側先進国は、国際条約の重みを知っているので、一度約束してしまった事は重たく後々まで国を縛るものだと理解しているが、平然と国際条約を破り続ける中国・ロシア・朝鮮人にとって、国家間だろうが、個人間だろうが、約束なんてものは破って当然と言う前提なので、交渉とは、相手の譲歩を強要するために押し付けるものでしかない。
今回、金正恩(人造人間19号)は、「核実験および弾道ミサイル実験の禁止」だけで、「原油及び石油製品の禁輸」を解除して貰おうとしていたらしい。
今まで、さんざん破り倒していた空手形を、再び切ろうとしていた訳で、これに騙され続けた歴代アメリカ大統領*1は、真の愚者であったが、割と愚者寄りだったトランプが、「お前の空手形なんて信用できない」と席を立った辺り、愚者と賢者の差と言う物は、案外紙一重と言う気もする。

*1:ラク・チキン・オバマ、ブッシュの出来の悪い息子、ヒラリー夫人の夫