gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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会社員が不動産ローン20億円、突然の「融資中止」通告:朝日新聞デジタル

会社員が不動産ローン20億円、突然の「融資中止」通告:朝日新聞デジタル

不動産投資で過剰な借り入れに走る個人投資家に対し、金融機関が牽制(けんせい)する動きを強めている。他からの借り入れを隠して複数の金融機関で多額の融資を引き出した投資家に返済を求めるケースも出てきた。スルガ銀行の融資不正などで金融庁も不動産融資の拡大に警戒を強めている。金融機関の姿勢の厳格化が広がれば不動産市況にも影響を与えそうだ。
大手銀行などが問題視しているのは、「1法人1物件スキーム」と呼ばれている手法だ。多くの物件に投資する際、個人では借り入れに限度があるが、投資のたびに別会社を設立し、多額の融資を引き出す。実態は個人なのに多数社への別々の融資に見せかける。
例えば年収1千万円の会社員が複数の物件を買い、すでに数億円の不動産投資ローンを抱えている場合は、新たなローンは組みにくい。しかし投資のたびに合同会社をつくり、物件の買い手や融資の借り手とすれば、金融機関には毎回新たな取引に見える。会社員の融資の全体像は金融機関からは見えにくくなり、一個人への融資としては過剰な額になりかねない。
こうした手法が広がったことを受け、複数の大手行は昨夏以降、合同会社の役員や住所を他の会社と照合するなど調査を徹底し始めた。他行の借り入れ状況も見極め、慎重に審査する方針にカジを切っている。
首都圏の30代男性会社員は、2017年以降の2年間で中古マンションや新築アパートを十数棟購入し、借金は計20億円台半ばに及ぶ。借入先は大手行や地銀、ネット銀、信金など多数で、設立した合同会社は15社超。だが、建築中のアパートに融資する予定の大手行から突然「融資中止」を通告され、今は金策に追われているという。
複数の関係者によると、同様の…
(後略)

https://www.asahi.com/articles/ASM313QRRM31UUPI001.html

普通に考えて、銀行の与信調査能力の不足を狙い撃ちにした融資詐欺な訳で、調査がザルだった銀行も悪いが、返済能力に乏しい個人が、銀行から過剰な融資を引き出そうと「騙し」のテクニックを使っていた訳だから、銀行側が与信調査を厳格にして、過剰融資を避けようとするのは当然の事。
突然だろうが、何か問題あるの?
その15社を超える合同会社が全て、単独でも融資の返済まで健全経営できる、と銀行が納得してても、融資が貰えないって話なら、銀行が無能ってオチになるけど、どうせ違うんでしょ?
少なくとも、自転車操業の様に融資を貰って合同会社を作り続けなければ破綻する様な連中が、与信不足で融資を切られて枯死するのは、むしろ正しい経済活動(かみのみえざるて)と言える。
ちなみに、「1法人1物件スキーム」は、個人でも銀行を騙して大量の融資を得られるメリットはあるが、同時に多数の法人を抱える事による、法人の維持コストも個別に必要になる為、同じ融資額でもリターンは小さくなる。
つまり、ハイリスク・ミドルリターンの分が悪い手法なのだ。
ミドルリターンでも数を束ねれば大きくなる、と言うだけで、リスクは極大*1なのだから、真っ当な人間が手を出す筈も無い。
…と思ったら、この手法が広がったのは、エリートサラリーマン、医者とか専門資格士などの高収入で知的エリート層が、副業として不動産投資を始めたあと、物件を売りたい一部の不動産仲介会社によるセミナー等で「上手い手」として大きく広がったものらしい。
なまじ頭が良くて、しかし、専門では無い分野だから、専門のセミナーに行ったら騙されたでゴザル案件かーーーwww
ちなみに、「1法人1物件スキーム」を手仕舞いする方法は、物件を(借金ごと)売却して法人を畳み、所有する不動産を1つの法人に1本化するしかない訳だが、今回の話で「物件がだぶつく」から不動産仲介会社が安く買い叩く訳で、下手すると赤字でも売るしかない、と言う場合も出てくるだろう。
いや、それでも売れずに銀行から一括返済を求められ、金が足りずに破産と言う可能性もある。
…流石、不動産仲介会社汚い!
この件の火付け役なのに、全く無傷どころか儲かってるまであるし。

*1:融資詐欺同然の「1法人1物件スキーム」がバレて、融資の一括返済を求められた時、手持ち資産で清算できなくなれば、破産して全てを失う