gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ライトノベルに対する(今更の様な)危機感

とあるなろう小説の書籍化作品で、1巻をサイン本で入手した後、2巻はサイン本が出ず、何となく買わないでいた作品が、現在はほとんど描き下ろし同然の状態で10巻の大台まで乗ったという事もあり、一気に買い揃える事にした。
2巻から5巻くらいまでなら、古本でも安くなっているだろうし…と、十数年ぶりに、「古本屋のハシゴ」をしてみたくなって、GoogleMapでブックオフの位置を確認したりして、歩き回る事にした。
最初は、地元のブックオフで、幸先が良い事に、3巻まで100円棚にぶっ刺さっていたので、2、3巻だけそこで購入。
続けて、経堂農大通り、豪徳寺駅前、代々木駅北口、新宿駅西口店、飯田橋駅東口、秋葉原駅前店、高田馬場北、池袋サンシャイン60通り…とまあ、8件ほどハシゴしてみたのだけれど…。
まず驚いたのが、ライトノベル棚の大幅縮小だった。
買い取り専門の経堂農大通り店は論外としても、所謂オタクショップがひしめく秋葉原駅前店と池袋サンシャイン60通り店と、比較的大店舗な飯田橋駅東口店を除いた都内店舗の全てにおいて、ライトノベルの100円棚が消滅していたのだ。*1
そして、ライトノベル自体の取り扱いもほとんど無く、最新刊の一部を1~2棚分揃えているだけ、となっていた。
加えて、古本と言えば中古品なので、基本的に最新刊(当月または前月発売)を除けば、基本的に半額が標準的な価格だと思っていたのだが、税抜で35%引き程度。最新刊は2割引き程度だった。
中古でこの価格差なら、新品を買った方が絶対にマシだろう。
実際、6巻までと、最新刊である10巻は、ブックオフで揃える事が可能だったが、買う気は起きず、結局は、新品で買い揃える事にしたぐらいである。
ここ十年ほどの間に、ライトノベルは発売月に買わないと、人気作以外は書店在庫から消えてしまうので、今までずっと、欲しい本は発売日に新品で買ってきたので、気が付かなかったのだが、古本屋はそうした「新品書店から消えた本を買い揃える場所」という認識で居たのだが、この認識はとっくに時代遅れになっていた。
むしろ、ブックオフの様な古本屋は、立ち読み客を引き付けられるコミックを重視し、大量に刊行され、飽きられるのが早いライトノベルの取り扱いは、新しい本のみに絞っているのだ。
そして、新品書店だが…幸い、新品で揃える事を決断したのは、池袋だったので、アニメイトメロンブックスゲーマーズといった、オタク向けの専門書店がひしめていてるので、問題なく全巻を揃える事は出来たのだが、そうしたオタク向けの専門書店でも、在庫量はとても薄く、7巻以降はどの店舗にもあったが、全巻そろっていたのは、店舗特典までつけて販売に力を入れていたゲーマーズだけであった。
これに関しては、そういう物だと理解していたが、実際に足で探しまわって苦労すると、強い感慨を禁じ得ない。
勿論、アマゾンなどのネットショップを利用すれば、簡単に全巻を揃える事が出来る。
古本にしたって、ブックオフの通販もある。
しかし、電子書籍ではなく、今更のように紙の本を買い続けている人間にとって、「実際に手が届く場所に、本が無くなりつつある」という現実は、改めて時代の流れを感じるとともに、千年を超える歴史がある「本」というメディアの世代交代という、歴史的な時代に生きている事に、運命的な物を感じなくもない。

*1:飯田橋駅東口店と同様に比較的大型店舗だった豪徳寺駅前、高田馬場北店は無かったので、かなり探し回ってしまった…