gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

なんで日本は核シェルター作らんの? : 大艦巨砲主義!

なんで日本は核シェルター作らんの? : 大艦巨砲主義!
理由は色々あるけど、「高度経済成長期には、憲法9条の呪いで、政府が核シェルター導入を推進すると言うだけで吹き上がるマスゴミどもが山ほど居た」ってのが1つ。
彼らからすると、「ハコモノ」の極致とも言える「核シェルター」なんて、金の無駄。
そんな事に金を使うなら、全方位土下座外交して日本が頭を下げて金を払っていれば、日本が戦争に巻き込まれる事は無い、つまり核兵器に備える必要は無い…等と言う頭の悪い主張が、本気で語られていた。
これは、冷戦が崩壊すると、更に顕著になって、極東で日本以外が軍拡する中、日本だけがずっと軍縮しつづける端緒となり、国際事情が変わっても、継続され続けた。
そして、「バブル崩壊後は、金が無かった」。
90年代後半に入って、北朝鮮の核問題から、MDシステムの導入に関しても、徹底的な反対が行われ、マスコミと野党による「ムダ金」論は根強く主張され続けた。
未だにMDは無駄と言い続けるお年寄りは、大体この時代の知識から何も更新されていない。
この時代には、日本のシェルター普及率の低さは何度も指摘されたが、「金が無い」「必要ない」のコンボで、そもそも議論すらロクにされなかった。
そして、現在に至る。
ちなみに、個人的な意見だけれど…「日本は温帯湿潤で地震国なので、地下シェルターは掛かる金の割に長持ちせず、つまりコスパが悪いから」という点もある、と考えている。
日本でも、戦前とか戦中に作られた地下壕とか今でも見つかったりするし、旧地下鉄駅遺構とかあるんだけど、「安全に使えるか?」という観点だと、とてもじゃないけど使い物にならない。
地下室ってのは、安全に「使い続ける」為の維持コストがとても高いのだ。
加えて、その効果に対する疑問。
実の所、個人レベルで用意できる核シェルターは、核攻撃直後の高放射線や熱波、放射性物質の初期降下物質からの被ばくを抑える効果はあるが、2週間以上の長期滞在は考えられておらず、それ以降は「政府レベルの救援」を頼るしかない。
冷戦時代に想定された全面核戦争が発生した場合、当時米ソが保有していた核兵器の総量(双方合わせて2万5千発)から考えると、地球上に、国と言う組織が残る程に、人類が生き残れる可能性がほぼ無かった。生き延びても核の冬で詰むし…。
米ソはそれを理解していたから、冷戦崩壊後には核軍縮に合意し、超大国間の全面核戦争の危機は遠くに去った。
代わりに到来したのが、戦術核兵器を使用した局地戦の可能性である。
イギリス、フランス、中国、インドといった主要核保有国は、それぞれ核兵器を数百発しか持っておらず、彼らが全面戦争しても、彼らの国が亡ぶだけで、地球全土が焼き払われる、と言う程でもなくなった。
北朝鮮イスラエルと言った国なんかは、数十発。
これは、その数だけ都市を焼き滅ぼせても、国全体を滅ぼせる程の火力ではない。
結果的に「核戦争が起きても、政府が滅びない可能性」が生まれるようになった。
この状況なら、核シェルターを作っても、意味がある…かもしれない。
ただね、そんな金があるなら、防衛費に回して、日本も核武装する方が、コスパは良いと思うんだけどね。