gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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もはや第4世代機より安いF-35A、15億円のコスト削減で約82億円実現! -航空万能論GF-

もはや第4世代機より安いF-35A、15億円のコスト削減で約82億円実現! -航空万能論GF-

ロッキード・マーティンは、国防総省とロット12~14まで、478機のF-35生産に関する契約を結んだ。
参考:Pentagon and Lockheed Martin Reach Handshake Agreement on F-35 Production Contract

F-35Aが8,000万ドルを切って、7,600万ドル(約82億円)を達成すると発表される。

6月10日、ロッキード・マーティン国防総省とロット12~14まで、478機のF-35生産に関する契約を、340億ドル(約3兆6,960億円)で結んだと発表した。
この契約では、ロット12で生産される157機のF-35について、F-35Aの単価が8920万ドル(約97億円)だったロット11と比較し、約8.8%のコスト削減が含まれており、ロット12でのF-35Aの単価は8100万ドル(約87億円)になる。
ロッキード・マーティンの発表によれば、ロット11に比べ、F-35の各シリーズの単価を15%削減するとし、今回契約した最終ロットでは、F-35Aの単価が7600万ドル(約82億円)になる。
これは以前、国防総省とロット12~14に関する契約の交渉がスタートした時に報じられた、ロット14のF-35A予想単価8,028万ドル(約88億円)より、400万ドル以上も単価を下げることに成功したことになる。
海兵隊向けSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)タイプのF-35Bは、ロット11の単価が1億1,550万ドル(約127億円)だったが、15%のコスト削減によりロット14では、9,760万ドル(約106億円)まで単価が下がり、ついに1億ドルを下回ることになる。
海軍向けのF-35Cは、ロット11で1億770万ドル(約118億円)だったが、15%のコスト削減によりロット14では、9,150万ドル(約99億円)まで単価が下がり、こちらも1億ドルを下回り、8000万ドル台も見えてきた。
ロッキード・マーティンは、ロット12~14で生産されるF-35について「第5世代機のF-35調達価格を、第4世代のレガシーな戦闘機と同等以下にすることに成功した」と主張している。

補足:第4世代のレガシーな戦闘機の調達価格、2019年度に発注された米海軍向けのF/A-18E/Fの調達価格は8,290万ドル(約90億円)で、現在、米空軍が導入を要求しているF-15EXの調達価格は8000万ドル(約89億円)と言われている。

(中略)
運用コストについても、2025年までにF-35の1時間あたりの運用コストを、現在の3万5000ドル(約380万円)から、2万5,000ドル(約270万円)まで引き下げるための努力を行っているため、F-15EXの1時間あたりの運用コスト、2万7,000ドルという数字の優位性は、もはや絶対では無くなってきている。
(後略)

https://grandfleet.info/military-trivia/f-35a-cost-reduction-achieved-76-million/

軍用品の多品種少量生産のクッソ高さと、大量生産によるコスト削減効果の恐ろしさを実感できる話。
最初の企画段階から、大量生産を前提にしている機体なので、その本領が発揮され始めた、という事なんだろうけれど、アメリカの「エコシステム」の作り方のうまさが良く判る。
多分、この価格が実現するのは、開発の区切りとなる、ブロック3Fの本試験が2018年に完了した事とは無縁じゃないと思う。
最初の方のF35がクッソ高かったのは、開発と量産を並行してたんで、初期に製造された部品が、同じ「F35A」でも、ブロック違い(2A、2B、3I)で使えなくなるとか、そんなん山ほどあって、無駄な出費が嵩んでたんだろうなぁ。
それが、去年からずっと、ブロック3Fだけ作れば良くなった訳で。