gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日本のイージス艦「はぐろ」進水、「わが国の駆逐艦の前では非常に見劣り」と中国専門家|レコードチャイナ

日本のイージス艦「はぐろ」進水、「わが国の駆逐艦の前では非常に見劣り」と中国専門家|レコードチャイナ

2019年7月23日、新浪軍事は、日本で新しく進水したイージス艦「はぐろ」について、「中国の055型駆逐艦に比べて見劣りする」との記事を掲載。著者は中国の著名軍事評論家・張召忠(ジャン・ジャオジョン)氏。
記事は、横浜市で17日に最新のイージス艦進水式が行われ、イージス艦が「はぐろ」と命名されたことを紹介。「はぐろ」は「まや」型イージス艦の2番艦で、18年1月の着工から約1年半かけて完成、古くなったはたかぜ型護衛艦と交代する形で21年に就役する予定であると伝えた。
また、1番艦の「まや」が20年、「はぐろ」が21年に就役することで、海上自衛隊の念願であったこんごう型4隻、あたご型2隻、まや型2隻という8隻のイージス艦からなる新たな「八八艦隊」が実現することになるとしている。
その上で、「はぐろ」のスペックについて「こんごう」型や「あたご」型を基本的に継承する一方、新型の17式対艦ミサイルやSM-3ブロックIIAミサイルを装備するなど戦闘能力が高まっていると説明しつつ、米国の最新ミサイル駆逐艦アーレイ・バーク級フライトIIIに比べると電気推進やレーダーなどの点で大きく劣ると説明した。
記事は一方、中国は055型駆逐艦の1番艦である「南昌」が年内に就役する見込みであるとしたほか、055型の後続艦である055A 型駆逐艦も姿を見せつつあり、全電気推進、電磁砲、レーザー兵器、新世代の艦載ミサイル、さらに進化したステルス設計などが実現する見込みだとし、その実力は米軍の最新鋭駆逐艦を圧倒するものだと紹介。「われわれの055型駆逐艦は、日米に大きな差をつけているのだ」と主張した。(翻訳・編集/川尻)

https://www.recordchina.co.jp/b731994-s0-c60-d0135.html

まず、「055型駆逐艦」ってのは、排水量1万3000トンクラスの「巡洋艦」で、アメリカのズムウォルト級を外観だけパクって作った奴なのだが、統合電気推進方式のズムウォルト級に対して、「055型駆逐艦」は単なるコンバインド・ガスタービン・アンド・ガスタービン(COGAG)で、統合電気推進方式ではない。
COGAGは日本の大型艦でよく採用されている方式であり、直近だと、いずも型が該当する。
つまり、

(前略)
電気推進、電磁砲、レーザー兵器、新世代の艦載ミサイル、さらに進化したステルス設計
(後略)

https://www.recordchina.co.jp/b731994-s0-c60-d0135.html

とやらは、現時点で一つも実現していない。
今現在、存在しない物を組み込んだ、改良型を、今作ってるって、笑い話か?
単純に、ステルス形状の艦体設計、巡洋艦クラスの巨体に見合った搭載火力の大きさは、間違いなく「駆逐艦」である、まや型より大きくなって当たり前、と言う話だし…。
ただまあ、日本のまや型のVLSは、昔ながらのMk.41。
055型駆逐艦のVLSは最新の大型タイプなので、排水量以上に、火力の差は大きい可能性は高い。
ただ、これもアメリカの最新VLSであるMk.57はズムウォルト級にしか装備されておらず、まや型の原型となるアーレイ・バーク級がMk.41なので、当然と言えば当然の話。
あと、比較にされているアーレイ・バーク級フライトIIIだが、まだ建造もされてない最新型で、現行のフライトIIAからの更新は、レーダーなどのアップグレードが主で、統合電気推進方式にするなんて話も、武装の強化をするなんて話も、特に聞こえてこないんだが…。
その意味で、「電気推進やレーダーなどの点で大きく劣る」という評価が自体が、胡散臭い。
レーダーに関しては、そりゃ、本家アメリカが2020年建造に向けて用意している奴が、フライト2Aベースの、まや型に劣る訳が無いんだから、当然上だろう。
…んで、日本のイージス艦アメリカの最新型に劣るのは、当然として、なんで、ようやく冷却問題が解決して、平面カバーになったAESAレーダーを装備したばかりの中国海軍が、上から目線で「オラがレーダーより劣る」と思っていられるのかが、謎と言うか。
AESAレーダーに関しては、世界初の量産戦闘機採用がF2だったとか、最新のレーダー素子技術では日本がアメリカを追い抜くレベルの最先端国であるって、知らないのかな…。*1

*1:アメリカは情報処理技術が高く、トータル性能で上を行くが。素材でも情報処理技術でもアメリカの後塵を拝している中国が、なんで上から目線なのか、心底わからん