gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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脅迫→展示中止→補助金不交付「あしき前例」 不自由展 [表現の不自由展・その後]:朝日新聞デジタル

[https://www.asahi.com/articles/ASM9V54F6M9VUCLV00K.html:title=脅迫→展示中止→補助金不交付「あしき前例」 不自由展 [表現の不自由展・その後]:朝日新聞デジタル]

開催中の「あいちトリエンナーレ」について、文化庁補助金を全額交付しないと決めた。菅義偉官房長官の発言を機に注目が集まったのが、公金と芸術のあり方だ。公権力は内容に介入しないのが大原則。文化庁は「手続き上の理由」を強調するが、「異例」の理屈には疑問の声が上がる。
トリエンナーレへの補助金交付のあり方については、菅義偉官房長官が8月に「事実関係を確認、精査した上で適切に対応したい」と発言。文化人や憲法学者、市民団体などから「権力の介入」として問題視する声が上がる一方、官邸内では展示にいらだつ声が上がっていた。
菅氏は26日午後の記者会見で、「文化庁において事実関係を確認し、審査した結果、全額を交付しないことと決定し、公表したと聞いている」と語り、交付見送りは文化庁の判断だと強調した。
憲法21条の「表現の自由」に抵触するのではないかとも問われたが、菅氏は「国民の税金でまかなわれている補助金の取り扱いに関することなので、文化庁が事実関係を確認した上で、適切に対応するのは当然のことだ」と述べるにとどめた。
今回の政府の対応について、野党は批判の声を上げている。共産党小池晃書記局長は「憲法が禁止している明らかな検閲だ」と述べた上で、「後から補助金交付を却下するやり方がまかり通るようになれば、主催者は政権の顔色をうかがってやらざるを得なくなる」。立憲民主党の幹部は「文化庁の独断とは思えない。官邸の意向か、忖度(そんたく)でないとこんなことにはならない」と指摘した。
批判は身内の自民党内からも出ている。7月の参院選で「表現の自由」をメインの政策に掲げ、自民の比例候補2位となる54万票を獲得して当選した自民党山田太郎参院議員は、「このようなことはあってはならない」とツイート。自民党文科族の一人は「表現の不自由展・その後」以外の関連費用も含めた全額が不交付となったことを疑問視し、「事業自体の有用性は認められており、減額しても出すべきだ。そういう折衷案を模索しないあたりが、いまの政権らしい」と語った。(安倍龍太郎
■「異例だと思う」文化庁の…
(後略)

https://www.asahi.com/articles/ASM9V54F6M9VUCLV00K.html

割とガチで勘違いしている人が多くて、呆れてるんだけど「表現の自由」ってのは、自腹でやっても政治・暴力などの圧力で潰されるような事例であって、今回の事例は当てはまらない。
そもそも「政府や企業が主催する場合、展示内容や政治意図を制限する」ってのは、アメリカでもフランスでも、真っ当な自由主義先進国でも、当然のように行っている事である。
政府が、税金で自己否定やら、国益を損なう活動をするほうが、そもそもおかしい訳で。
日本だけ、それが許されない、と言うイミフな風潮がまず気持ち悪い。
ぶっちゃけ、「日本人の朝鮮批判はヘイト、朝鮮人の日本罵倒は批判でもヘイトでもない発言の自由」、と同じぐらいの酷い差別行為なのだ、という自覚がそもそも無いのがおかしい。
加えて、今回は警察への被害届を出す前、本物の脅迫が来る前に「脅迫があったからやめます」と言い出し、実際に脅迫が発生したのは、その翌日以降だったオチだし。
つまり、開催者が勝手に自主規制した話でFAなのだ。
自主規制は、「表現の自由」を「自分から忖度してひっこめた」という話なので、公権力や暴力による圧力以前の話。
今までも、出版業界やTV業界で自主的にやっていた「言葉狩り」と何ら変わらない話である。
本件を批判するなら、既存のマスコミがこれまで行ってきた言葉狩りについて、自己批判しなければ、ダブルスタンダードという話になる。
加えていうなら、「公金」とか「補助金」とか、「使途を明確に既定されて使うお金」の場合、その趣旨に添わない使われ方をしたならば、金が出なくなるなんてのは、当たり前の話で、むしろ出す方が、「公金」とか「補助金」のルールを捻じ曲げている訳で、法治国家では許されない蛮行だ。
朝鮮のような人治国家ならともかく、まともな先進国で、公金が法に反する形で提供されることは、普通は許されない。
そして、「公金」とか「補助金」が出なかったとしても、働いた人たちに労働した分のお金を支払うのは、事業主の義務な訳で、この場合、文化庁補助金が無くても、主催した「あいちトリエンナーレ実行委員会」が自腹で関係者に満額お金を払う義務があるってだけ。
「国から補助金が出ないから、関係者に金が支払われない」ってのと「国から補助金が出ない」ってのは、全く別の話で、前者を「むごい」と「国を」批判したクリエイターは、そもそも的外れな批判である。
もし、払われないとしたら、悪いのは100%「あいちトリエンナーレ実行委員会」なので。
あと、野党が批判してるけれど、今の野党…ミンス党政権時代は、失政やスキャンダルの度に、平然と政府関係者がマスコミに対して恫喝するなど、圧力をかけていた訳だが、そっちの方がもっと深刻な「表現の自由」「報道の自由」の直接的な侵害だったのに、ぬけぬけと、よくもまぁ。