gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「アニメサントラは今、採算が取れずCDが出にくい状態。もっとお買い求め下さい」〜作曲家が提言、さまざまな議論 - Togetter

「アニメサントラは今、採算が取れずCDが出にくい状態。もっとお買い求め下さい」〜作曲家が提言、さまざまな議論 - Togetter
そもそも、CD等の物理媒体で販売する事自体が時代遅れになりつつあり、「CD等の物理媒体」は既に「コレクターズアイテム」となっている。
そして、過去の「アニメ本体とサントラは別々に売って両儲け」というビジネススタイルが、「アニメ本体が売れないから、本体のおまけにサントラを付ける」のが一般的になりつつあって、崩壊している訳で。
そもそも、アニメ本体ですら売れ難い現在、サントラ単品で万単位売ろうってのが、「ずれている」としか。
ついでに言うと、デジタル配信は「長く売り続けられる」というメリットがある。*1
本放送で売れなくても、後に話題になって作品が人気になった時、アニメ本体は動画配信で何時でもみられるのに、サントラとか周辺媒体が手に入らないとか言う現状なのだから、サントラも配信にすれば、アニメ本体が再評価されると同時に、売れるようになる。
円盤をプレスするタイムラグで、機会損失しなくて済む。
客に「買ってくれなきゃ、無くなるぞ」と脅すより、「買って貰えるように、売り方を見直す」方が、真っ当だと思うよ。*2
個人的に、配信やダウンロードコンテンツは、「配信元の都合で提供が途切れるリスク」が怖い。
有名作品なら、幾らでも引き取り手があるから大丈夫だが、自分が好む、ちょいマイナー作品とかは、引き取り手が消えれば、消えてしまう。
だからこそ、完全に手元に置ける「CD等の物理媒体」を買う事に、それほど抵抗が無い。
しかし、これは配信が無かった時代からのトシヨリの感性であって、今の若い世代に受け入れられるとは思えないのだ。
だからこそ、提供側が、時代に合わせて変わるべき、なんだけどなぁ。
2019/12/16 追記。
この件で「クリエイターに売り方まで考えさせるのはつらい」という別のクリエイター側の発言があって、それはそれで納得できる話だ。
クリエイターというナマモノは、創作に特化しているからクリエイターであり、どこぞの金儲けが上手い現代芸術家(笑)と違って、口八丁で海外のオタ文化に詳しくない金持ちから、適当にジャパニメーションをディフォルメしたブツで金を絞り取る営業力なんて、持ってる方がありえないのだから。
だから本来、こうした「売り方」「儲け方」を考えるのは、エンドユーザとクリエイターを繋いで金を貰っている、制作会社だったり、出版社だったり、レーベルだったりするべきだろう。
つまり、この件で「売り方」にまでエンドユーザに文句を言われた作曲家は、「言う先を間違えた」と言う話だった。
エンドユーザに「買って」と言うのではなく、自分の曲を買い上げた制作会社に「サントラ発売を前提としない作曲料を出して欲しい。この金額では食えないんで」と言うべき話だった。
不特定多数のエンドユーザに「もっと買って」と言えたのに、自分の曲を買い上げた制作会社に「もっと金をくれ」とは言いづらい?
そんなこと、エンドユーザに言われても困るがな。
流石に、自分の飯のタネの話まで、自分で出来ないと言われても、第三者にはどうしようもないのだから。

*1:というか、書籍もそうだけど、在庫リスクのある物理メディアより、データさえ作れば、あとはコピーされるだけで金を生む配信の方が、収益ハードル高いって、その構造に疑問を持つべきだろう

*2:市場すら消滅寸前の伝統芸能とかじゃないんだし、市場自体はしっかりあるんだから