フィリピンのドゥテルテ、米軍地位協定の破棄発表 同盟関係にひび | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

フィリピンのドゥテルテ、米軍地位協定の破棄発表　同盟関係にひび | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

フィリピンのドゥテルテ大統領は11日、同国で活動する米兵の法的地位を定めた訪問軍地位協定（VFA）の破棄を発表した。両国の同盟関係、米軍のアジア太平洋での展開に影響が出ると予想される。
エスパー米国防長官は、破棄の通知に遺憾の意を示し、米国とその同盟国が中国に対しアジアで「国際的な法と秩序」を順守するよう圧力をかけようとしている状況下で誤った方向の動きと指摘した。
協定破棄の背景には、警察トップとして麻薬犯罪組織撲滅に向けて強硬な措置をとった上院議員へのビザ発給を米国が拒否したことがある。
中国やロシアとの関係強化を志向するドゥテルテ大統領は、米国がVFAを利用して偵察などを行っており、フィリピンが中国の侵略対象になるリスクを生んでいると主張。前週、上院議会でVFAに関する公聴会が開かれ、外相、国防相、軍幹部がVFA支持を表明していたが、破棄に踏み切った。
VFAは通知から180日後に失効する。米側は戦略上のフィリピンの重要性を踏まえ、それまでに決定が撤回ないし延期されることを期待している。
(後略)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/post-92376.php

日本もアメリカと結んでいる日米地位協定があり、これが理由で、日本で犯罪を犯した米兵が、日本で裁く事が出来ず、アメリカで不当に軽い刑罰で済んでしまう事例が相次ぎ、日本国内でも強い不満が横たわっているアレである。
今回、フィリピンが米比訪問軍地位協定を破棄した事によって、アメリカは「自国法による法の保護が得られないフィリピンには、軍を向かわせない」という選択が可能になる。
トランプが「金の節約になる」と言ったのは、この点だろう。
しかし、米海軍からしてみると、フィリピンは日本とシーレーンを共有する重要なステークホルダーであり、フィリピンが完全に中国の軍門に下ると、第一列島線に大穴が空いて、日本のシーレーンが断絶する。
それは、「中国の封じ込め」「太平洋の聖域化」という現状の破綻であり、地位協定が無ければ、米軍はフィリピンに派遣する際に、様々なリスクを背負う事になる。
つい去年、韓国がＧＳＯＭＩＡを盾に、アメリカの譲歩を引き出そうとした。
トランプ以前の韓国に甘かったアメリカなら譲歩したかもしれないが、トランプはむしろ圧力を強め、韓国を屈服させた。
フィリピンに関しては、軍事に疎いトランプが余り気にしていないだけで、国防長官が即座に遺憾の意を示した様に、本来は韓国のＧＳＯＭＩＡ破棄以上にヤバイ案件なんだけど…大統領選で浮足立っているトランプは、軽く受け取っているようだ。
なお、アホな連中が、フィリピンが出来たなら、日本も日米地位協定の撤廃を…と吹き上がっているが、トランプはフィリピンを軽視しているから、「最悪、失っても構わない。それで戦禍に塗れても自業自得」と思っているから、容認発言カマしているだけで、重要な同盟国である事をアピールしていた日本が言い出したら、即座に絶縁レベルのインパクトとなって、トランプの態度硬化は確定やろな。
戦後、最も日本に寛容なアメリカ大統領を敵に回すのは、かなりのアホだと思う。