gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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日本の対空母兵器に海外メディア注目、 開発中の島嶼防衛用「高速滑空弾」を敵空母攻撃に転用 -航空万能論GF-

日本の対空母兵器に海外メディア注目、 開発中の島嶼防衛用「高速滑空弾」を敵空母攻撃に転用 -航空万能論GF-

日本の防衛省が研究開発を進めている「島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾」について当初予定していた離島防衛用=対地攻撃目的だけでなく、空母など水上艦を攻撃することも視野にいれた性能向上案を検討していると毎日新聞が報じ、海外メディアもこれに注目している。
(中略)
日本の防衛省が研究開発を進めている「島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾」は、ロケットにより打ち上げられた弾頭部分が超高速滑空しながらGPSで目標に誘導される兵器で、敵の迎撃を困難にさせるため複雑な軌道で目標に接近することができるが、専守防衛という縛りから射程は500km以内に抑えられる。
(中略)
これは管理人の個人的な見解だが、少なくとも島嶼防衛用高速滑空弾の射程は1,000km以上必要ではないだろうか?

https://grandfleet.info/military-trivia/japan-diverts-fast-developing-glide-munitions-into-carrier-strikes/

高速滑空弾の射程が500km程と言う事は、実は「極超音速兵器」ではない可能性が高かったりする。*1
理由は、高速滑空弾の初速を与える為のロケットモーターは、ぶっちゃけ短距離弾道ミサイルと同じ物であり、弾道ミサイルはその性質上、飛距離と共に終端速度が高くなる物なのだ。
だから、射程500kmと短距離弾道ミサイルの中でも射程が微妙な感じだと、最大でも再突入速度は秒速2km、マッハ6以下。
高速滑空弾の場合、最高到達高度で再突入しないで滑空を始める性質上、弾道ミサイルより速度は大幅に落ちる*2ことになる。
つまり、日本の高速滑空弾は、精々マッハ3から4位で飛ぶ訳で、「極超音速」の定義、マッハ5以上を満たさない。
この速度だと、普通にPAC3とかの従来型防空兵器で迎撃できる速度であり、ASM3と大差無い*3訳で、シースキミング可能なASM3*4の方が、空母攻撃には適しているオチが付く。
ちなみに、今年から5か年かけて開発予定のASM3改は、射程400km、スクラムジェットでマッハ5以上を目指している。
…普通に考えて、こっちが対艦兵器としては本命だよね。
てゆーか、ASM3があるのに、わざわざ別に高速滑空弾とか開発するなら、中露の保有する射程1400km以上にして、極超音速滑空(ブーストグライド)兵器として開発しないと、意味が無いと思うわ。

*1:ロシアのアバンガルドや、中国のDF17は、極超音速滑空(ブーストグライド)兵器

*2:大体7割ぐらい

*3:公称マッハ3以上

*4:中国軍の長射程兵器装備に伴い、射程不足が明らかとなり、完成直後に量産が見送られ、改良型の開発がスタートするという、不憫な兵器。全部政治レベルの射程150km縛りが原因