gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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結局、F-35とF-22は友軍の支援ありならどっちが強いの?視界外距離戦で : 大艦巨砲主義!

結局、F-35とF-22は友軍の支援ありならどっちが強いの?視界外距離戦で : 大艦巨砲主義!
まず、ステルス機同士の先頭では、AWACSやら地上基地の防空レーダー等の支援はあんまり意味が無い。
理由は簡単で、AWACSがステルス機を探知できるような距離まで前進すれば、撃墜のリスクが高すぎで使えないし、地上基地のレーダーがステルス機を探知しているとして、「どちらも友軍の支援あり」なら、どちらからも「見えている」訳で、どちらに優位も発生しない。
で、結局はステルス機自身のレーダーや、僚機からのデータリンクによる索敵情報が重要になる。
最強の制空戦闘機として、双発の大推力エンジンと、高価で強力なレーダーを装備しているF22は、今なお最強の名を冠するに値する怪物戦闘機である事は、間違いない。
ただ、実戦配備から20年以上もロクなアップデートを受けていないF22と、F22から良いトコ取りできる部分は可能な限り掬い上げて完成度を上げているF35。
この時点で、アビオニクスではF22が完敗が確定してる。
まず、F22に装備されているAN/APG77は「探知距離250km」を標榜するが、このスペックはF22完成時から変わらぬ値で、つまりは非ステルス戦闘機を相手にした時の数字である。
ロシアのSu35に搭載されているイールビスEなんかは、非ステルス戦闘機を相手なら450kmの探知距離を誇っているし、中国でもAESAレーダーに換装したJ11Bも同様と言われており、対F22を意識して開発された近年の第4世代++戦闘機の場合、非ステルス機に対する探知距離は、400km以上がデフォルトになっている。*1
まあ、この中露の「パワーイズパワー」という脳筋なレーダー出力競争と異なり、アメリカのAN/APG77と、その技術を元にF35用に開発されたAN/APG81は、カウンターステルスを意識したAESAレーダーである。
通常の索敵距離はF22で250km、F35で170km程度と、中露に比べて半分以下と短いが、ステルス機がレーダーを使っていても、逆探知されにくい性質のレーダー波を出すようになっており、自身のレーダー波で自分の位置を暴露しづらい上、ステルス機が相手でも、75km前後の中距離で補足可能とされている。
そして、F22とF35は、共に同じ思想で開発されたレーダーを搭載し、より新しいレーダーを搭載しているのが、F35。
結論から言えば、対ステルス用のレーダー性能では、最低でも互角、普通に考えて、F35が優勢、と考えるべきだろう。
F22の方が、F35より1桁RCSが低いが、あのレベルのステルス性能になると、1桁変わっても被探知距離は数キロも変わらないらしいので、対ステルス用のレーダー性能が優れるF35にとっては、誤差ではなかろうか。
そして、上に書いたとおり、相互の探知距離が75km程度だと、AIM120が主要武器になる訳だが、同じ武装なので、性能は互角。
格闘戦を含む短距離での撃ち合いならともかく、視界外距離戦、中距離での撃ち合いなら、F22の大推力と偏向ノズルによる変態機動性も優位に働かないので、何も考えずに正面から同数のF22とF35をぶつけるなら、ぶっちゃけキルレシオは1対1に限りなく近づくんじゃなかろうか。
ただし、F22の方が最大速度も航続力もある訳で、逃げ回る余地があるのなら、追いかけっこでは足も体力も劣るF35はF22に微塵も勝ち目がない。
そういう意味なら、F22の方が「強い」かもね?
あと、F22のアビオニクスを、現代の技術で最新化すれば、F35に対して優位が取れるようになれるんじゃね?
レーダーの優位が無くなれば、ステルス性能の差で、F22が100%先手が取れるようになるし。

*1:A2D2戦略じゃないけど、中露共に射程400kmを越える対空ミサイルの装備で、AWACS等の大物を遠距離から狩れる性能を獲得しており、そのついでに、ステルス機相手にも、近距離…20km以内まで近づけば、ロックオン可能になる、とされている