米濃縮ウラン企業が破綻 日本の原発停止が影響 - MSN産経ニュース

原発の燃料となる濃縮ウランを供給している米企業ユーゼック（メリーランド州）が５日、米連邦破産法１１条（日本の民事再生法に相当）の適用を申請して経営破綻した。２０１１年の東京電力福島第１原発事故後に日本の原発が相次いで稼働を停止したことが一因となり、資金繰りが行き詰まったもようだ。事業は継続するという。
日本の電力会社への販売が落ち込んだほか、需要急減による濃縮ウランの価格下落も足を引っ張った。ユーゼックはウラン濃縮の世界大手で、東芝は優先株を保有している。
ユーゼックは同日、東芝と発電関連機器の米大手バブコック＆ウィルコックスに、新たに発行する株式の約８％をそれぞれ割り当てることなどを盛り込んだ再建策を公表。「再建策の支持で両社と合意した」と説明している。９０〜１２０日以内の再建手続きの完了を目指す。（共同）

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140306/biz14030616450015-n1.htm

このユーゼックは、今年３月には破産法申請しているから、今更ニュースになる事自体が遅いとしか。
そもそも、この記事だけ見ると、なにやら「私企業が原発停止の煽りを食らって倒産」みたいに見えるけれど、ユーゼックはアメリカ軍やアメリカ政府の委託を受けてウラン濃縮を行うアメリカ唯一の企業。
元々がアメリカの兵器級の核物質濃縮を行っていた官製企業が、ソビエト崩壊後の核軍縮の流れで民生化されたもので、今では保守用の兵器級の核物質と、原子炉用の核物質の濃縮を行っているのだが、コレを潰すとアメリカの核兵器が保守・更新が出来なくなる上、原子炉も動かせなくなる。
ウラン濃縮を行っているのは、世界にユーゼックを含む４社しかなく、ユーゼック以外の３社はフランス、欧州３か国、ロシアの国家事業であり、ぶっちゃけ、国防の都合上、アメリカがユーゼックを潰すことなんて不可能なのだ。
ちなみに、東芝は震災前から小型原子炉の需要増を見込んで、ユーゼックに資金を投入しており、記事中に株式発行して東芝に増資してもらうってのは、そーいう繋がりからの話。
なお、民間企業の皮をかぶったバリバリの国家企業なんで、東芝が株式をいくら取得しても経営権とか貰えなくて、せいぜい優先的に割り当てして貰える程度。
この辺りは、超売り手市場の原油と一緒で、東芝はチュルチュル資金を吸われる立場。