gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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ドル104円前半、7カ月ぶり高値から反落 -ロイター-

[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の104円前半。早朝の取引で104円半ばまで上昇し7カ月ぶり高値をつけたものの、実需の売りや投機筋の利益確定売りに押されて伸び悩んだ。
ドル/円は午前4時過ぎに104.49円まで上昇し、1月23日以来となる高値をつけた。ただ、その後は、月末を控えた輸出企業のドル売り/円買いや、ファンド勢の利益確定に伴うドルロングの巻き戻しを受けて反落し、もみあいとなった。
(後略)

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0GP0E120140825

正直、ここまで円安に振れるとは思わなかった。
1ドル当たり0.5円近く利益を手に入れ損ねたわ…。
アメリカの雇用統計が予想よりも好調だったらしいけれど…これはむしろ日本の景気腰折れにもかかわらず、政府が無策で増税路線を突き進むと言うアレな部分に対する失望もあるんじゃないかと。
「もう一段階、円安に振れる」という意見もあるけれど、さすがに105円は無理じゃないかと思うので、静観しようかと思う。
関連:アベノミクスに4つの誤算、円安のデメリットが顕在化:日経ビジネスオンライン
ありがちな安倍憎しで書かれたDisではなく、割と妥当性がある指摘だと思う。

河野:4〜6月期のGDP統計の結果、今の日本が直面している構造的な問題が明らかになったと考えています。実は今年の春頃から、日本経済に様々な問題が見えてきました。一言で言えば、「アベノミクスの4つの誤算」です。
−−−−4つ、もあるのですか。
河野:はい。まず1つ目が、実質ベースの円安がかなり進んでいて、しかも海外の景気が持ち直しているのに、供給制約から実質輸出が伸びていない点。
 2つ目が、企業の業績が回復しているのに、設備投資が更新投資や省力化投資の域を出ず、能力増強投資となっていない点。
 3つ目が、個人消費が弱い原因は、消費増税の反動減だけではなく、実は円安で実質購買力が損なわれているという点。
 そして4つ目が、人手不足や資材価格の高騰によって公共投資の執行が遅れている上に、いわゆる「クラウディング・アウト(政府の追加財政によって、結果的に民間投資や個人消費が抑制されてしまうこと)」の効果で、民間の建設投資が抑制されてしまっている点です。
(後略)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140822/270195/

筆者は1つ目の供給制約について、記事では海外生産や311以降のサプライチェーンの分散化を挙げているけれど、個人的にはここに原発停止による電力抑制により、国内設備の投資ができない状態が3年も続いている、という点が大きいと考えている。
工場を増やしたくても、電気に余裕が無いから増やせない、万が一また計画停電が発生したら、今度こそ国内から製造業が逃げ出すだろう。
当然、2つ目に続く「設備投資が更新投資や省力化投資の域を出ず、能力増強投資となっていない点」は、密接にリンクしている。
後の「個人消費が弱い原因」が「円安でインフレ」という点は納得。
ただ、「クラウディング・アウトの効果で、民間の建設投資が抑制」というのは言い過ぎだと思う。少なくとも、現時点で政府関連の公共投資で土木関連がウハウハ…なんて景気の良い話は全く聞こえてこない。
そもそも東日本大震災後の震災復興で発生した人手不足が未だに続いていて、被災地で優先度の高い工事こそ終わっているが、未だに個人住宅などの優先順位が低いところは後回しにされて未だにヒビだらけの壁面をさらしている所もある。
そんな状況なのに、オリンピック誘致が発生し、国内の土木業界は完全にキャパシテイオーバーしているのだ。
これまた「長いデフレ」で、企業の「余裕」を削減してきたツケではあるのだが、それで人が足りないからと「安く使える外国人を連れて来よう」と言い出して「給料を上げて人を集めよう」とならないのが、日本の資本家がカスであり、そこを改善しようとしない日本政府のアホさというか。