gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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北朝鮮ミサイル発射 1000キロ以上の飛行も可能か | NHKニュース

北朝鮮が24日朝に発射し、およそ500キロ飛行して日本の防空識別圏日本海に落下したSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと見られる1発について、韓国政府の関係者は、角度をつけて発射された結果、高度が400キロを超え、本来の角度であれば1000キロ以上飛ばすことも可能だったとする見方を示しました。
韓国軍の合同参謀本部によりますと、北朝鮮は日本時間の24日午前5時半ごろ、東部のハムギョン(咸鏡)南道シンポ(新浦)付近からSLBMと見られる1発を発射し、ミサイルはおよそ500キロ飛行して、日本の防空識別圏日本海に落下したということです。
これについて韓国政府の関係者は、ミサイルが角度をつけて発射された結果、高度が400キロを超え、本来の角度であれば1000キロ以上飛ばすことも可能だったとする見方を示しました。
北朝鮮は、ことし6月にも新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」を角度をつけて発射して高度が1000キロを超え、「周辺国の安全にわずかな影響も与えなかった」と発表しており、この関係者は今回も日本の領海や領土に落下しないよう、ミサイルが飛ぶ距離を調整したと見られるとしています。
韓国ではアメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習が、22日から来月2日までの予定で行われており、米韓両軍はこれに反発する北朝鮮がさらなる弾道ミサイルの発射などを強行するおそれがあるとして、警戒と監視を続けています。
専門家「日韓だけでなく米にも一層の脅威に」
北朝鮮がSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと見られる弾道ミサイルを発射し、およそ500キロ飛行したことについて、北朝鮮の情勢に詳しい専門家は、発射に成功したと見られるとしたうえで、日本や韓国だけでなくアメリカにとってもより一層の脅威になると指摘しています。
拓殖大学大学院の武貞秀士特任教授は「アメリカの報告書では、北朝鮮は2003年ごろからSLBMの開発を進めているとされてきた。北朝鮮は去年5月、SLBMの発射に成功したと発表したが、数十メートルしか飛んでいないといわれている。今回、500キロ飛んだということは発射に成功したと見なければならない」と指摘しています。
また、「テポドンのように地上から発射される弾道ミサイルは、事前に発射の兆候をとらえて撃ち落とすことも可能だが、潜水艦から発射されるSLBMは兆候をとらえることが難しく、撃ち落とすことが非常に難しいとされている。潜水艦で相手の国に接近して発射できるうえ、核弾頭を搭載できることから『究極の核戦力』になり得るといわれている。アメリカ本土もターゲットになる可能性があることから、日本や韓国だけでなく、アメリカにとってもより一層の脅威になる」と話しています。
そのうえで、北朝鮮がSLBMの開発を進める背景について、「朝鮮半島で有事が起きた際に、アメリカがSLBMによって自分の国が核攻撃されるリスクを考えて軍事介入を諦めることを期待しているのではないか」と指摘しています。
北朝鮮の狙いは
北朝鮮が24日朝、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射した背景には、22日から始まったアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習に対抗し、みずからのミサイル技術を誇示する狙いとともに、北朝鮮への対応などが話し合われる日中韓3か国の外相会議に合わせた可能性があります。
北朝鮮は韓国で定例の米韓合同軍事演習が始まった22日、軍の総参謀部の声明を発表し、「われわれの領土、領海、領空に対して、わずかでも侵略の兆候を見せれば、核の先制攻撃を浴びせる」と威嚇していました。
その後も北朝鮮は国営メディアを通じて演習への非難を繰り返しており、今回のSLBMの発射で、みずからのミサイル技術を誇示して、米韓両国を強くけん制する狙いがあると見られます。
また、24日の日中韓3か国の外相会議で、核実験や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮への対応などをめぐって意見が交わされることを念頭に、その当日に合わせて発射した可能性があります。さらに北朝鮮国内では25日、キム・ジョンイル金正日)総書記が軍事優先の指導を始めたことを記念する「先軍節」と呼ばれる記念日を控えています。
そして26日には、北朝鮮の青年組織の大会が23年ぶりに開かれる予定で、今回のSLBMの発射をキム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長の実績だと宣伝することで、国威発揚を図りたい思惑もあると見られます。
北朝鮮のミサイル技術が向上か
北朝鮮が発射したSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルは、発射の兆候を把握するのが難しいうえ、今回の飛行距離がおよそ500キロとこれまでで最も長く、ミサイル技術が向上していると見られることから、関係国の警戒が一段と強まりそうです。
北朝鮮は1990年代初めに入手した旧ソビエト製のSLBMの改良を進めてきたとされ、去年5月、「北極星1号」と名づけたSLBMの水中からの発射実験に初めて成功したと発表しました。
国営テレビはその時のものと見られる映像を去年6月に放送したほか、ことし1月にも新たな発射実験とみられる映像を放送しました。
また、ことし4月には、東部のハムギョン南道のシンポ付近の日本海で、SLBMとみられる1発が発射され、およそ30キロ飛行し、北朝鮮は「固体燃料エンジンのSLBMの発射実験に再び成功した」と発表しました。
さらに先月も同じシンポ付近の日本海で、SLBMと見られる1発を発射しましたが、韓国軍は潜水艦からの射出に成功したものの、飛行に失敗したとする見方を示していました。
一方、国際的な軍事情報の分析会社、「IHSジェーンズ」は先月、北朝鮮がシンポから南に2キロ余り離れた場所に、潜水艦2隻を収容できるドックを新たに建設しているとする衛星写真の分析結果を明らかにしています。
北朝鮮のSLBMについて、韓国国防省はことし4月、「3、4年以内に実戦配備される可能性もある」という見方を示しており、今回の飛行距離がおよそ500キロと、北朝鮮が発射したSLBMとしてはこれまでで最も長く、ミサイル技術が向上していると見られることから、関係国の警戒が一段と強まりそうです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160824/k10010652721000.html

かつて中国が、国民がどれだけ飢え死にしても核兵器を配備する、として実際に核保有国となったように、国家規模や経済規模が最貧国レベルの国でも、自前でウランが掘れれば核開発できる。
…という、残念な現実を証明してしまった北朝鮮
もちろん、米露中の3大国のパワーバランス境界にあり、容易に手を出せない特別な立地とか、ロクな資源も無い最貧国で、本気で攻める価値が無かった事、中国が自国の悪名を逸らすための盾として利用すべく様々な援助を行い、ソビエト崩壊後の貧しいロシアが安価に様々な軍事技術を放出してしまったなど、奇跡的な程の運の良さもあったが、ほとんど同じ立場にあった韓国が核武装できていないのだから、北朝鮮の外交能力は、決して低くは無かったと言う事だろう。
現時点で、北朝鮮は核弾頭の小型化に成功しているという事実は確認できていないし、北朝鮮は多弾頭(MIRV)技術も無いし、今回発射した潜水艦に搭載できる弾道ミサイルは1発きりなので、核の脅威としては最小限のレベルではある。
しかし、つい10年前までは、核爆発すら起こせないだろうと侮られていた国が、NPT脱退からわずか3年で地下核実験、長距離弾道ミサイル実験を行い、9年で人工衛星の打ち上げを成功させ、13年目の今年には潜水艦発射型の弾道ミサイル発射を成功させた。
今年の1月に行われた4回目の核実験は、水爆実験と発表されており、これが事実なら論理上は破壊力の上限が無い核爆弾の製造技術を手に入れた事になる。*1
このまま北朝鮮を放置すれば、偶発的核戦争の脅威が高まる事はあっても、低くなる事は絶対にない、と断言できる状況であり、いい加減にキッチリと焼け野原にして危ないおもちゃを取り上げるべき責任が、核保有国にはあると思うんだが、むしろ中露は邪魔するだけだからなぁ。
北朝鮮の核が、誤爆で中露に落ちればいいのに。

*1:ただし、アメリカは水爆特有の事象が観測できなかったとして、水爆実験の成功という可能性を否定している