gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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JAXA、小型ロケット再挑戦に意欲 -SankeiBiz(サンケイビズ)-

宇宙航空研究開発機構JAXA)の奥村直樹理事長は17日の記者会見で、1月に打ち上げに失敗した電柱サイズの小型ロケット「SS520」について、「原因と対策を踏まえて再度打ち上げを進めたい」と再挑戦に意欲を示した。時期は明言しなかった。
1月の4号機ではコスト削減を狙い、家電などに使われる市販の電子部品を導入した。奥村理事長は「民生技術を活用した軽量化と低コスト化を目指す流れは今後も加速する」と述べた。体制を強化するため、実績のあるH2Aロケットなどの技術者も計画段階から参加させる。
4号機は東京大の超小型衛星を載せ、鹿児島県から発射されたが直後に通信が途絶。安全を優先して海に落下させた。JAXAは調査の結果、振動による摩擦などで電線の被覆がはがれてショートし、データ送信機の電源が失われたとみている。

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170217/cpc1702171835001-n1.htm

そういや、失敗原因に関する続報を見てなかった事に気づき、調べてみたら、調査結果が先月に公表されてた模様。
関連:SS-520 4号機 実験失敗の原因究明結果及び対策にかかる記者説明会 | ファン!ファン!JAXA!
ここで、1次ソースおよび、報道向け資料がみられる。
これを見る限り、機能喪失していたのはテレメーター関係なので、仮に2段目以降の点火を強行していた場合、成功していた可能性が十分にありそう。*1
なお、報道向け資料を見ると、記事ある「振動による摩擦など」が、本当に表面的な表現であり、複合的な事象が積み重なって、問題が起きるという事が良く判る。
過去に実績のあるロケット本体部でも、細かな改良が行われており、問題が発生した部位は、材質および形状に仕様変更が行われていた部分だった。(それ以外にも軽量化の為に充填剤の廃止などもあった)
振動による摩擦が予想される部分には、ガラステープによる保護が成されていたが、事故を受けて追試した摩擦耐久試験で、ガラステープに損傷が発生している。
多分、もう一枚ガラステープを余分に巻くだけで、結果は変わっていたんじゃないかな…。
…まあ、その僅かな重量を削って行った結果が失敗の根本原因であり、しかし、ギリギリの妥協点を見つけるのがロケット開発のお仕事なのだが。
この手の問題は、トライアンドエラーで潰せて行く物なので、失敗を恐れて委縮するより、ガンガン打ち上げて実績と技術を蓄積して行くのが、良いと思う。

*1:まあ、万が一を考えれば強行なんてする筈も無いのだが…