gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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インド政府、イスラム系住民400万人の市民権をはく奪へ | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

インド当局は7月30日、国民登録簿(NRC)と呼ばれるリストの暫定版を公表した。だがインド北東部にあるアッサム州では、人口3290万人のうち2890万人しか名前がない。400万人近い住民から市民権を剥奪し、国外退去させようとしているのではないか、と懸念が高まっている。
国民登録簿には、1971年3月24日以前からアッサム州に居住していたことが証明できる国民とその子孫が掲載される。しかし、アッサム州に住むベンガル語母語とするイスラム教徒はその1971年3月24日にパキスタンからの独立を宣言したバングラデシュから数十万人単位で逃げてきた人々で、露骨に国民登録簿から排除されている。
かつて外国人排斥を求めて激しく戦った学生組織とインド政府が1985年に合意したアッサム協定では、1971年3月24日より前からアッサム州に住んでいたことが証明できない者は正式な市民とはみなさないことになったからだ。
国民登録簿はまた、市民であることを証明する政府発行の正式文書など持たない多くのベンガル系住民の排除にも使われる可能性がある。
(中略)
今回公表された国民登録簿の暫定版に名前が載っていない人には、申し立ての機会が与えられるという。誰も直ちに国外追放される人はいないと政府は言う。
(中略)
Avvazのリッケン・パテル事務長は声明で、「複雑で不公平な申し立ての手続きが必要になるのはイスラム教徒だけだ。弁護士と相談する権利もない。申し立てが認められなければ、住み続けられる見込みはない」と述べている。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/400-3.php

政情不安な国に生まれた不幸と言うべき点もあるが…なんでバングラデシュもしくはパキスタンに戻らなかったのかと。
バングラデシュは元々インドからイスラム系の人間が独立運動して生まれたパキスタン(1947年〜)から、更に政治的に劣勢で実質的な植民地扱いだった東パキスタンが、ベンガルという民族を中心に独立して生まれた国がバングラデシュ(1971年〜)と言う、複雑な成立経緯を持つ。
問題となっているイスラム系住民は、バングラデシュ独立の際に、反独立派の武装過激派によるベンガル人の大量殺戮が発生し、本来の自国であるパキスタンではなく、独立元であるインドに逃げてきた難民の子孫である。
記事にある「1971年3月24日」というのは、バングラデシュ独立戦争が勃発した日付。
難民発生の区分として判りやす過ぎる程に明確な物だ。
インドは当初からバングラデシュの独立を支持しており、反独立派に追い出された難民ならバングラデシュ独立派な訳で、独立後に帰還すれば良かったのに、独立戦争で荒れた祖国に帰るより、大国であるインドに居る方がメリットが多いとしてインドに居座った連中…が、問題になっている人達。
例えるなら、朝鮮戦争のドサクサで日本に密入国して、日本の居心地が良いからと居座った在日朝鮮人の様な連中なのだ。
もちろん、居残った理由は人それぞれにあるだろうし、朝鮮人の様な不逞な犯罪者ばかりではないだろうけれど、一度は独立して決別したはずのインドに居座った難民と言う不法居留者である事は変わりないし、本来の祖国がバングラデシュもしくはパキスタンであることに変わりは無いのだ。*1
イスラム教徒が狙い撃ちされているのだって、そもそもパキスタン独立が「イスラム系の独立運動」が理由であるのだから、バングラデシュもしくはパキスタン人なら、ほぼイスラム教徒になる*2のだ。
本末が転倒している難癖と言える。
北朝鮮や韓国の様に、自国受入れを拒否している在日朝鮮人の様な「居場所の無い棄民」だって本来ならさっさと国外追放したいのに、帰れるのに居座った難民が国外追放されるのは、仕方ない気もする。

*1:尤も、子孫が正しく祖国に国籍申請しているとも思えないので、国籍が無い可能性も高いが…そんなのはインドにとっては関係ないというか、むしろインド国籍も無い癖になんで居る、と

*2:外務省の統計によるとパキスタンは国教がイスラム教なので全員がイスラム教徒だし、バングラデシュの88.4%がイスラム教徒