gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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[news] 痛いニュース(ノ∀`) : 松本零士氏、著作権武士を自称。「著作権は世襲制」 - ライブドアブログ

「基本は模倣。そこから応用、改良、発展させていく。そして創作という恐ろしい壁がそこの先にある。失敗が累々と折り重なる。模倣は創作のうちには入らない。私は全否定する。トレーニングはともかく、模倣は盗作に過ぎない。作家にとって『似てるなあ』といわれるのは屈辱。数百年以上前のものはどう翻案されても仕方がない。ただ、50年で、というのは短すぎるし、身近すぎる。70年でぎりぎり。私が漫画を発表し始めて54年になるが、あっという間だった」

過激であり、正直納得しがたい部分もあるが、著作権者の権利は守られるべきだし、特に某国のコピー品を作って本家の名乗りを上げる行為を見れば、厳しく締め付けてやりたくなる気持ちも判る。
しかし、ここで松本氏が危惧している作品を改変しての二次配布なんて、企業ベースでやるような大規模な活動でも無い限り、松本氏だって

「もちろん盗作されると腹が立つ。だけど、だいたいは口頭の話し合いで済みます。そっくりのタイトルつけられたこともあるが、タイトルには著作権がないと笑ってやり過ごした。見逃せないことでも、あうんの呼吸で解決したことだってある」

という、話し合いのレベルで済んでしまうものだろう。
そういう意味では、50年が70年になろうが、120年になろうが、実の所を言えばあまり関係ない。
危惧しているのは、ファン活動で引用したり、二次創作の楽しみへの過剰な規制のきっかけになるのではないか、という、現著作権管理団体への不信と不満なのである。
例えば同人誌。
ほとんど商業レベルの売上や収入を得てしまう、プロが書く同人誌もあれば、一人でこつこつ数十部の本を作って、在庫が出てしまうような草の根のファン活動まで一緒くたに規制されてしまうのではないかと恐れているのである。
ファンであれば、作品に関して著作権料を払ってほしいと言われれば、払っても良いと考える人の方が多い。
ファンだけど、金を払いたくないなんて言う人間が、手間ヒマかけて本を作り、参加費用や交通費をかけてファン活動なんてしないのである。
ただし、それが本当に著作権者の下へ支払われるならば、なのだ。
このあたりの感覚のズレが、何故か「著作権者VS消費者」という構図に摩り替っている気がする。
もし、この話が「保護期間を延ばします」という話ではなく、「お金の流れがオープンな著作権管理団体の設立」という話なら、このようなねじれた構図にはならなかったのではなかろうか。