gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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原作ファンが納得する改変と納得しない改悪

メディアミックスで真に問題なのは、変えてはいけない部分を変えてしまう。という事でしょう。
上記の記事では、原作付きである限り、原作の持つ根幹部分を改変することは 『何があっても』 許されません。とおっしゃられているが、全くである。
それが原作付き作品を作る場合の義務だと私も思います。
もし、それがわずらわしかったらオリジナルでやるべきだと思うのです。

このあたりは非常に同意できる。
ただ、この「根本部分」という言葉の定義が

結論としては、サブキャラはキャラを変えてもいいが主人公やメインヒロインはキャラを変えるな。という事だと思う。
主要人物のキャラ改変。それが、原作ファンが納得しない改変の正体なのだろう。

になってしまうと、?となってしまう。
確かに、主要人物のキャラ設定は、作品の重要なテーマに関わっていたり、作品全体の雰囲気に関わってくる為、安易に変えてしまうとテーマ性が変わってしまったり、雰囲気がぶち壊しになったりして、原作ファンの総スカンを食らいう場合は結構ありがちだと思う。
しかし、キャラが同じでも、重要なエピソードに至る話を飛ばしたり、改変されたりすれば、原作ファンに叩かれてしまうだろう事を説明できない。
自分が思う、原作の「根幹部部」は、その作品の「面白さのエッセンス」では無いかと思う。
多くの原作ファンが、その作品を面白いと感じている部分*1を改変された時、面白いと感じた部分を否定された気分になり、改変を拒否的に感じるのではないだろうかと思う。
きちんと原作読んで、作品に対する敬意があれば、決して変えてはいけない場所、変えたほうが面白そうな場所、というものは見えてくるのではないかと思う。
原作から「面白さのエッセンス」をマイナスにする改変が嫌われて、「面白さのエッセンス」にプラスする改変が好まれる。
たぶん、この辺りが自分の結論。

問題は「面白さのエッセンス」が原作ファンの多数、という「これだ」と枠を決められないものである点。
どんなにアニメの監督が作品をリスペクトしてても、感じた「面白さのエッセンス」が大多数のファンと異なれば、叩かれてしまう場合も考えられる。
そして、原作を知らずに、そのアニメから「面白さのエッセンス」を見つけたアニメのファンには、原作ファンによるアニメの否定が、自分の楽しみ方を否定されたように感じる為、原作ファンとアニメファンの対立といった不幸な現象へと発展するのではなかろうか。
これは、「面白さのエッセンス」の定義が個人レベルで行われている為、原作ファンとアニメファンの対立は、どんなに上手く原作をアニメ化しても、撲滅が難しい理由なんじゃないかと。
…ただ、激しく叩かれるほどに、テーマ性に至る「面白さのエッセンス」が改変されたら、そのアニメと原作は、もはや別物だと思う。
だから、「同じ作品のファン」では無いと思ったほうが、お互い幸せかもしれん…。
例えば、アニメのハガレンは、とても良い作品だと思うけど、個人的には原作ファンとしては「別物」だと思うし。

*1:緻密な設定だったり、作品の雰囲気だったり、キャラクターそのものだったり、キャラが示す生き方だったり、作品のテーマだったり