gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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アスラクライン〈10〉科學部カイメツ (電撃文庫)

アスラクライン〈10〉科學部カイメツ (電撃文庫)
そろそろ話が進まなければ、いい加減見捨てるつもりだった本作。
フタケタ巻目に突入して、ようやく本筋が大きく動き出して、あとがき曰く「折り返し地点」。
その折り返し地点に相応しい、本格的な転換点らしく、割と楽しめたので、購読続行。
以下、ネタバレ。
水無神環緒が襲撃されるという前巻からの引きからのスタートだったんだけど、前巻に緊張感が無いから忘れてた。
謎のピカソ仮面やら真日和秀、鳳島氷羽子らによる襲撃から辛うじて脱するものの、鳴桜邸は爆破され、塔貴也とアニアを守る為に雇った倉澤六夏は、襲撃されて重傷になり、二人は誘拐される。
第三生徒会・科學部の生徒会室は爆破され、元演操者にして最強戦力たる橘高冬流も重傷という大ピンチ。
一方で、世界の謎も大きく明かされる。環緒が「一巡目」の「今から一年後」に「二巡目」の「今から四年前」にやってきた操緒の異世界存在で、故に悪魔の力を持っている事。
夏目直貴も「一巡目」からやってきた智春の異世界存在で、演操者であり、悪魔でもあるという、魔神相克者以上の怪物であり、彼の駆る機巧魔神《鋼》は「一巡目」世界からやってきた、唯一最後の「完成品」な機巧魔神であり、その能力は「世界間移動」(重力制御は副産物)という、なにそのラスボス設定!!
目的は、重なり合う世界の中心点を消し去り、これ以上の悲劇を止める事、そして《黒鐵》と智春は万が一の予備として用意されていたらしい。
…あー、死亡フラグ
と思ったとたん、誘拐されていたはずの塔貴也によって直貴は射殺され、所有者を失った《鋼》と、謎のピカソ仮面であり、実は重傷なんかではなかった橘高冬流を副葬処女として契約。
氷羽子の契約者である事も明かした塔貴也は、最悪の魔神相克者として爆誕
雪原遙は撃破され、副葬処女の紫浬は死に、朱浬も氷羽子に殺され、嵩月奏の非在化は致命的なレベルに達し、悲劇が確定した世界に対して、塔貴也は智春に、悲劇が確定していない「三巡目」へ行く事が目的であり、一緒に行こうと誘う。
自分に都合が悪い世界はリセットして別な世界へ渡る、そんな歪で自分勝手な選択を智春は断り、塔貴也と戦って吹き飛ばされ、何故か「一巡目」の世界で目を覚ましたところで引き。
なんだ三雲、やれば出来る子じゃないか。
idとかランブルフィッシュの時みたいに、もっとグダグタに話が進むと思ってた。
どうでもいいけど、魔神相克者が複数の女性に命がけで惚れられる理由ってのは一番の謎だよな。
ガガガの時も、本人は副葬処女にほぼ全ての愛を向けているのに、アニア姉は死ぬまで尽くしたし。
今回の塔貴也に関しても、他所に本気で好きな女がいるにも拘らず、冬流は迷わず副葬処女になったし。
嵩月奏が頑なに契約を拒むのが、契約後は悪魔の力を使うたびに、代償として智春の奏に対する想いや記憶を失う事を嫌ったからという説明があって、ある程度の理由付けはされたが、直近に見える死を賭してまで守るべき理由にはなりえないと思うんだけど。
そのあたりは単なる主人公補正。
…というオチになりそうな予感。