gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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機神大戦ギガンティック・フォーミュラ

読む本が無くて、PSPでアニメ視聴を再開。
ようやく最初から最後まで観れたわ。
2年以上前の作品なので、ネタバレもクソも無いと思うが、一応、折りたたみ。
物語としてはきちんと終わっているけれど、ギガンティックの本体である頭像(OXII)に関する謎は完全放置、赤道の冬についても「何故起こったか」については語られたが「強磁性の暗雲」が未だに残り続ける理由についての説明が存在しない(推測するなら、ジュピター2の人類絶滅の為の布石、であるが単体のOXIIに他のOXIIを圧倒する力が与えられている理由が不明)等等、あくまでも舞台装置として配置されて置き去りにされてしまった設定類が大きい感がある。
そういう意味で、不完全燃焼気味ではあるが、まあ、後藤圭二監督作品としては面白い部類に入ると思う。
個人的には、作中ではある程度ぼかしてあるものの、人類存亡の淵まで追いやられた人類が、人口統制の下に人工出産やら非人道的な遺伝子研究の結果として人工天才製造やらクローニングという禁忌を犯し、それを是とする所までモラル低下し、具体的な実体としての「神」が存在するにもかかわらず、その戦いを実質的な八百長へと貶めて「人類の利益」を追求するあたりの「追い詰められた感」と、主人公の州倭慎吾の達観振りと性格の良さ、周囲の人間達の雰囲気のギャップが面白かった。
そのあたり、もう少しえげつなく描くと、エヴァみたくなりそうなんだけど、
…まあ、州倭慎吾は同じシンちゃんでも、精神成熟度が「死を間際にして達観した達人」に近いとまで評された慎吾はチート気味なんで、比較したらシンジが可哀想なんだけど。
しかし、そうした「追い詰められた人類」のどろどろした部分を、善知鳥中将が一人で責任を取って自決*1してしまったり、UNの八百長を世界中に暴露して「よい方向に変わった」というオチは、正直、とってつけた感が強く、むしろ「世界はほんの少し良くなった」くらいで抑えて、神々の戦いはきっかけに過ぎず、ドロドロした人類の愚かしい部分も含めて前に進む、と言う終わり方にしてほしかった。
まあ、ラスボスが「人類滅亡をたくらむゼウス神」一〇式オニクスにして「破壊神アレス」スサノヲ13との対決をメインとした時点で、結局「神々の争いに人間が巻き込まれた」という以上の話にならなかったのかもしれないけれど。

*1:潔い態度だが、作中で慎吾が繰り返した「罪を償うなら生きて」というメッセージに対して真逆であり、作品テーマ的にどうよ?