gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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NIKKEI NET(日経ネット):「植物工場」普及後押し 経産省、全国に研究拠点

経済産業省は今秋から水分、光量、温度、栄養分などを管理して作物を建物の中で栽培する「植物工場」の普及に乗り出す。全国に5カ所程度の技術研究拠点を設置。栽培環境の制御システムを改良し、3年後までに生産コストを3割減らす。植物工場で栽培した野菜の販路開拓も始める考えだ。
植物工場は年間を通して安定して野菜などを生産できるほか、工業団地や商店街の空き店舗など農地以外でも栽培できる利点がある。最近では、企業や個人が農業に参入する手段のひとつとしても注目を集めている。 (09:16)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090729AT3S1800A28072009.html

個人的に、植物工場自体はどんどん研究して将来的な普及は必須だと思うが、まだ採算どころか、ごく限られた品種の生産しか目処が立っていない状況で「普及」というのは幾らなんでも拙速に過ぎる。
それに、工場生産するなら、個々の事業者に生産計画を任せて市場原理に丸投げさせるのではなく、「厳密に」とは言わないが、ある程度は市場全体を俯瞰して「安定供給」という需要に応じた生産計画をきちんと行わないと、露地栽培野菜と出荷時期がバッティングして値崩れ、双方が大ダメージなんてアホらしい事が頻発するだろう。
まともにやるなら、それこそ専任の独立行政法人でも作って、上記のような生産管理の為の調査・実施手法を官民で研究しつつ、多品目の開発と実用「植物工場」の経営を並行でやって行き、5〜10年程度の中期的な並行運用を経て「普及」という流れだろうに。
文系役人の常で、器さえ用意すれば体裁が整うと勘違いしているようにしか思えないのは、なんでなんだぜ?
そういや、同じ容積の箱モノを建造するのに必要なコストは、ビルとメガフロートではどっちが安いんだろ。
土地が狭い日本では、広い工場空間を地上に確保するためには高層化が必要で、結果として植物工場の建築費高騰(=初期費用の増大・採算性の悪化)を招いている面は確実にあるのだけれど、メガフロートの広大な内部空間を利用したり、メガフロートで広大な平地を手に入れれば、平屋で低コストな工場とかも作れそうな気もするんだけど。(ついでに水上だから波力や潮力発電も可能だし、淡水化技術で水も無尽蔵に使えるだろうし…まあ、水は閉鎖空間内での再利用が主になりそうだから、初期構築以外ではあんまり必要ないかもだけど)
つくづく、官僚の縄張り争いでメガフロート技術が法律・管轄的に暗礁に乗り上げたのは、痛いよなぁ…。