gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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第28回 日本企業を見限ったインドの“システム屋”から学んだこと - ダメな“システム屋”にだまされるな:ITpro

前回(第27回)で登場したインド人の“システム屋”経営者の言葉をもう1つ紹介したいと思います。彼から「日本企業向けの仕事はもうやりたくない」と言われたことがあります。英語力の問題ではなく、日本人はそもそもシステム開発に向いていないというのが彼の主張です。
これを聞いた私は、その場では苦笑するほかありませんでしたが、日本人の“システム屋”として悔しいという感情が残りました。しかし今ようやく、この意見には反論が可能だという思いに至りました。
◆次々と現れる「責任者」たち
彼はインドで起業したものの、当時はインド国内の企業ではシステム開発の需要を期待できない状況でした。彼は仕事を求めて、英語圏である米国、英国、オーストラリアなどを回っただけでなく、この日本にもやってきました。その時に、日本企業からもシステム開発の仕事をもらったようです。その後、彼の会社はインド経済と連動するように成長を遂げて、今では英語圏だけでなく、ドイツ、フランス、オランダ、ロシアなどからも仕事を請け負っているということです。
だから、彼が日本向けの仕事を「やりたくない」というのは、英語が通じるかどうかが理由ではありません。彼の言い分はこうです。「日本人はシステムやソフトウエアの設計・開発には向いていない。なぜなら、要件を決められないからだ。システムで何をする、どう実現するということを、選択肢を示して選んでもらおうとしても決めることができない。どの案にも一長一短があり、どれも捨てがたいといって、結局、要件が定まらない」と言うのです。
さらに彼はこう付け加えました。「ようやく要件が決まったかと思ったら、今度は『私が責任者だ』という人が次々に出て来て、決まったはずの結論を覆していく。こんな人たちに情報システムを作ることはできないし、我々も仕事にならない」と。
◆現場が知恵を出し合う仕組みを生かす
彼の主張はおおむね当たっており、だからこそ私は悔しい思いをしました。しかし、今ようやく、論理的でムダが大嫌いなインド人に勝つ方策が見つかりました。日本人の短所であると彼が指摘することを逆手に取れば、それを長所とした方法論で我が国システム産業の国際競争力を高められるはずだということです。
日本人は誰かひとりで要件を決めることができない――これを裏返して考えれば、みんなで知恵を出し合い、あるいは責任を分担し合いながらでなければ、「決める」ことが苦手である、ということになります。ならば、みんなが知恵を出し合うような仕組みを作り、それによって付加価値が高めていくようにすればよいのです。実際に、自動車業界や電機業界などは、現場が知恵を出し合う「カイゼン」「創意工夫提案制度」などの方法論を浸透させ、高い品質と国際競争力が世界中で認められるようになりました。こうした仕組みをシステム業界にも取り入れられないものでしょうか。
日本人的な現場が知恵を出し合うという考え方と、欧米的な「要件を決めて、決めた通りに作る」「多少現場が苦労してもパッケージソフトのやり方に業務プロセスを合わせる」という考え方は、折り合わないところがあるのかもしれません。インド人との議論を通じて、そう考えるようになりました。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090910/337017/?ST=management&P=1

人間同士の仕事なら、日本式の談合システムは機能すると思うが、ゼロかイチしか理解できないコンピューターを使ったシステム構築なんだから、インド人が言うように

欧米的な「要件を決めて、決めた通りに作る」「多少現場が苦労してもパッケージソフトのやり方に業務プロセスを合わせる」という考え方

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090910/337017/?ST=management&P=1

の方が圧倒的に正しい。
つーか、日本式の責任範囲も曖昧、権限範囲も曖昧、業務プロセスも曖昧、ただ成果が上がればOK。
という仕事の回し方を、ITシステムで再構築するなんてのが無意味じゃないかとすら思う。
この辺の分業下手が、総合的な生産性の低さに繋がっていると思う。
特に、公務員の「たらいまわし」なんてのは、その最たる弊害であり、「パッケージソフトのやり方に業務プロセスを合わせる」方式で全面的に窓口業務やら許可申請の業務を電子化できれば、役所の窓口関係の人数は1/5にしても十分仕事が回ると思うよ、マジで。
競争が必要な分野で、画一的なシステムや業務プロセス化が、結果的に競争力を平均化してしまう可能性があるから、民間レベルではともかく、役所のような「ルールを守らせる側」のシステムや、営業・会計といった何処の会社に行っても似たような業務システムについては、効率的な手法に人間が合わせる方が、成果が出易いという事は、間違いないと思う。