gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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時事ドットコム:「経済で日本が最重要」わずか6%=豪世論調査、好感度は5位

シドニー時事】オーストラリアのシンクタンク、ローウィー国際政策研究所が13日公表した国内世論調査によると、豪州にとって経済面で最も重要な国を日本とした回答はわずか6%にとどまった。日本は昨年、豪州にとって最大の貿易相手国だったにもかかわらず、中国の63%、米国の27%に大きく差をつけられた。
同研究所のファーガス・ハンソン氏は、日本の控えめな外交政策や中国、インドといった新興勢力の台頭などが反映されたのではないかと分析。現状は「新興勢力が目立っている」とした上で、「豪州人は日本の重要性を認識していない」と話している。
一方で、100点満点で表した国全体の好感度では、日本は昨年の調査よりも2ポイント上昇し66。ニュージーランド(83)、カナダ(80)、ドイツ(68)、米国(67)に次ぎ5番目だった。(2009/10/13-15:38)

http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=eco_30&k=2009101300573

そりゃ、アメリカと一緒で、裕福な「輸入国」なんだから、自分の生活に影響がある国を重要に感じるのは当然のこと。
逆に、日本でオーストラリアのアンケートをとれば、面白い結果になると思うよ。
資源国かつ農業国でもあるオーストラリアにとって、日本は代替可能な輸出先の一つに過ぎないという認識*1だろうけれど、安価な輸入品を支える中国と、アメリカの工業製品は、多くのオーストラリア人にとっては身近な国となる。
また、日本には捕鯨問題で感情的な対立もあるし。
つい最近、オーストラリアで「ジッャプ死ね」と襲ったらフィリピン人でした、なんて事件が起こったばかり。
歪んだ人種差別感情が、蔓延している国だから仕方が無い。
実の所、オーストラリアの資源にしろ食肉にしろ、安いから買っているだけで、実際、日本にとっては代替可能な輸入国でしかない。
特に、牛肉はアメリカがBSE問題の時に高圧的な対応をして、日本人から信頼を失い、未だに危険部位を輸出して恥じない状況だからほぼ圧勝だけれど、BSE問題発生までは、豪州産牛肉は米国産牛肉の代用扱いで、それほど日本のシェアは存在しなかった。
当時の豪州産牛肉は、セールで安売りされる赤身肉の代表みたいな扱いだった訳で。
ところが一転、日本が牛肉の主要輸入国をオーストラリアに切り替えると、莫大な日本への牛肉輸出を賄う為に、オーストラリアの畜産業は「日本向け」に規模を拡大、品目も日本向けの和牛ブランドを取り入れるなど、日本向けに特化する事となったのである。
もし、今からアメリカにシェアを再奪取されると、日本向けに高価な穀物飼料で生育された高価な牛肉を「売る先が無い」という状況になり、オーストラリアの畜産業はかなり大打撃を被る事になるのだ。
資源輸出についても、オーストラリアの主要輸出品目は石炭が一番、鉄鉱石が二番。つまり高品質のボーキサイトや鉄鉱石であり、特殊アルミや特殊鋼の生産で大量に輸入してくれる日本が居なければ、他に買ってくれる国なんてそうそう無いのだ。(アルミの生産量は中国、ロシア、カナダ、アメリカが世界の半分を占めているが、カナダ以外は自前でボーキサイトが採れるのであんまり輸入しないし高値で売れない)
ぶっちゃけ、日本にとっては、貿易が出来る程度に仲良くしていれば問題が無い国であるが、オーストラリアにとっては、日本は資源や食料品を輸出できないと、かなり困る国なのである。(いわば、日本とアメリカの逆転関係みたいなもの)
政府はその辺を理解してても、国民レベルがアレじゃねぇ…。

*1:実際には逆で、もし日本が輸入を他国に切り替えたら、間違いなくオーストラリアは貧しくなるので、間違った認識なのだが…