gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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まとめたニュース : 【不老】テロメアの長さを修復することに成功

iPS細胞:難病患者の皮膚から作成 テロメアを修復
染色体の両端部「テロメア」が異常に短くなる難病の患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、長さを回復させることに、米ボストン小児病院などのチームが成功した。テロメアは老化や細胞のがん化にかかわることが知られており、生命活動の営み解明やがん治療に役立つ可能性がある。17日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。
チームは、先天性角化異常症という遺伝性疾患に着目。テロメアを維持する酵素「テロメラーゼ」が不足してテロメアが短くなる難病で、老化が早まるほか貧血や皮膚の異常などが起こる。患者3人の皮膚細胞を採取し、山中伸弥・京都大教授が開発した4種類の遺伝子を導入する方法でiPS細胞を作成した。
その結果、患者の元の細胞では、テロメラーゼを構成する分子の一部が不足しているにもかかわらず、iPS細胞ではテロメラーゼが正常に働くようになることを突き止めた。また、テロメアが修復され、正常の長さに戻ることも発見した。
テロメアは、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなる。チームは「老化現象の解明にも役立てたい」としている。【須田桃子】

http://mainichi.jp/select/science/news/20100218k0000m040120000c.html

毎日変態新聞の記事なんで、内容に記者の願望が混じっている可能性があるので、他の記事も調べてみる。

米大など、遺伝性の難病患者からiPS細胞
ハーバード大学などの研究チームは遺伝性難病の患者の細胞から新型万能細胞(iPS細胞)を作り、その特徴をもとに病気の仕組みの一端を解明した。作ったiPS細胞ではもとの細胞に比べ、染色体の保護や細胞寿命に関係する「テロメア」と呼ばれる染色体末端部分をのばす物質が増えていた。この物質が病気の進行を左右する可能性があるという。
成果は18日、英科学誌「ネイチャー」(電子版)に発表する。
同大のジョージ・デーリー准教授らは皮膚の難病「先天性角化異常症」の患者の皮膚細胞に4つの遺伝子を入れて、iPS細胞を作った。するともとの皮膚細胞に比べテロメアの伸長に必要な物質「TERC」の働きが活発になった。

http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2010021710678h1

細胞の染色体末端部「テロメア」が異常に早く短くなるのが原因で起きるまれな再生不良性貧血の患者から、皮膚細胞を採取して人工多能性幹(iPS)細胞を作ったところ、テロメアの長さが回復した。米ハーバード大などの国際研究チームが発見し、英科学誌ネイチャー電子版に18日発表した。
この疾患は「ディスケラトーシス・コンジェニタ(DC)」と呼ばれ、貧血のほか、皮膚や粘膜の異常などが起きる。患者から作ったiPS細胞を造血幹細胞に変えて移植すれば、貧血を改善できる可能性がある。また、テロメアの長さが回復する仕組みを解明し、同じ作用をする化合物を見つければ、新薬の開発につながるという。
体細胞は分裂するたびにテロメアが短くなり、やがて分裂できなくなって老化する。しかし、身体の各部位にある幹細胞や生殖細胞では、テロメラーゼと呼ばれる酵素テロメアを修復するため、分裂が続く。DC患者の細胞では、この酵素の一部「テロメラーゼRNA構成要素(TERC)」に影響する遺伝子「DKC1」に変異があるため、テロメアの修復が難しい。
研究チームは、万能細胞であるiPS細胞には、ほぼ無限に分裂・増殖を続ける能力があることに注目。山中伸弥京都大教授らが当初開発した4遺伝子導入法により、患者の皮膚細胞からiPS細胞を作ったところ、DKC1の変異が残っているにもかかわらず、テロメラーゼが働いてテロメアを修復し、分裂が続くことを発見した。
これは、DKC1の変異を補う別の仕組みが働いたためと考えられる。
DC患者はがんも発症しやすいが、なぜがん細胞が盛んに増殖できるのか、謎とされてきた。DC患者のがん細胞でも、同様の仕組みが働いているとみられる。(2010/02/18-07:15)

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010021800091

やっぱり、どこにも寿命がうんぬんという話は書いていない罠。
記者が女性だから、願望が反映されたのかねぇ…。
閑話休題
そもそも、脳や眼球など、一定の成熟によって細胞分裂が基本的に行われない(厳密には脳細胞も神経細胞も分裂・再生はする。が、再生するより老化で壊れる方が早いので認知症などが発生する訳で…)器官が存在する以上、単純にテロメアを継ぎ足して細胞分裂が無限になったから、寿命も無限になるとは行かないのだ。
そもそも、永遠の寿命があっても、永遠に働き続けないと暮らして行けない社会のままなら、それはかなり大変なんじゃなかろか。