gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

はてなダイアリーが更新できなくなったので、泣く泣くこちらに移行。使いづらいようなら、別なサービスへの引っ越しも検討する予定。元ダイアリー:http://d.hatena.ne.jp/gayuu_fujina/

【水異変】第3部 高まる「一滴の価値」(2)牛丼1杯2千リットル…水まき殺人の豪、日本に直結 - MSN産経ニュース

豪州産牛肉「オージービーフ」の輸入量が徐々に減少している。平成17年の約40万トンに対し、昨年は約33万トンと、4年で2割近く落ち込んだ。
MLA豪州食肉家畜生産者事業団・東京オフィスによると、豪州では昨年現在で推定約2700万頭の牛が飼育されているが、同団体は「豪州は国土の7割を砂漠が占めており、飼育頭数は現在がピーク。この状態を将来も保っていけるのか」と不安視する。
牛の飼育には大量の水が欠かせない。牧草や飼料に使う水を考えると、牛肉1キロで1万リットルもかかるとされる。人間が1日に必要な飲料水は1.2〜1.5リットルとされ、ざっと8300〜6700人分に相当する量だ。
世界の水不足の現場を取材するジャーナリスト、橋本淳司氏は「豪州では、牛を育てていた人たちがオリーブ栽培にどんどん転換している。オリーブは水が少なくてすみ、高く売れるからだ」と指摘する。
日本の牛肉消費量(21年)のうち、オージービーフは国産牛と同等の43%のシェアを占める。橋本氏は「水不足の影響で飼料すら満足に育てられなくなり、オージービーフが今のように安く食べられるのは難しくなるだろう」と予測。豪州の水不足が、日本の食卓に直結している事実を示している。
      □   □
豪州の水不足は、どう深刻化しているのか。橋本氏によると、貯水タンクの横に夜間、給水車を横付けして水を奪う犯罪が頻発し、中には貯水タンクごとクレーンで持ち去るケースもあるという。
干魃続きの豪州では、多くの都市で一般家庭の水利用が厳しく制限されている。近隣住民が当局に水の無駄遣いを通報するなど、地域内での住民同士のいさかいも少なくないという。
シドニー郊外では3年前、水まきをめぐって殺人事件まで起きた。庭の芝に水をまいていた66歳の男性に対し、通りかかった男が「水を無駄遣いするな」と注意。口論の果て、男はホースを持っていた男性を殴り殺した。
サーフィンの盛んな北東部のクイーンズランド州では、節水レベルが最も危険な状態である「レベル6」まで引き上げられた。ビーチのシャワーは止められ、ガーデニングや洗車のための水の使用も制限された。
一方、国内のある大学で講義を受け持つ橋本氏は、男子学生の言葉に耳を疑った。「河川が汚れるのはやばいですけど、うちには水道があるから大丈夫ですよ」。水の貴重さに対する意識が薄いこの学生は、豪州の水不足が自らの暮らしにも関係するとは考えていないだろう。
      □   □
「仮想水(バーチャル・ウオーター)」という概念がある。英ロンドン大のアンソニー・アラン名誉教授が1990年代に初めて提唱し、日本では、東京大の沖大幹教授(工学)らが普及に努めている。
沖教授らは、一つ一つの食品にどれだけ水が使われているかを調べ上げた。
「牛丼1杯2千リットル、チーズバーガー1個千リットル、月見そば1杯750リットル…」。日本人は1人当たり毎日1460リットルも水を輸入している計算になるという。
別の試算もある。沖教授によると、食料自給率がカロリーベースで先進国最低の41%しかない日本において、仮に輸入農産物を国内だけで生産するために1年間に必要な水は、東京ドーム5万2千杯分に匹敵する640億トンに上るという。
世界では、飲み水よりも圧倒的に食糧を作るための水に困っている。農畜産物の輸入大国・日本にとって、世界の水不足は身近な問題にほかならない。

http://sankei.jp.msn.com/life/environment/101208/env1012081409001-n1.htm

水まき殺人については、オーストコリア人の性質の問題です。以上。
それにしても、今更感のある話だな。
これを「水」から「石油」に入れ替えれば、40年前のオイルショック辺りまで遡れる、使い古されたメソッドに過ぎない。
一般的に、穀物や豆類といった植物に対して、肉同量を生産する為に必要な「リソース」という観点で見ても、圧倒的に畜産の方が高コストである事は、大昔から判っていた事であり、ブロイラー飼育できる鶏肉はともかく、豚や牛は狭い国土ではやってられるか、というレベルで土地や資源が必要となる。
そして、「輸入」というのは、間接的にいえば水に限らず、その育成に必要だったマンパワー、電力、化石燃料、酸素…もう、関係する全てのリソースを「輸入」していると言い換えることが出来る。
その中の一部でしか無い「水」をことさら強調している時点で、今度は「水枯渇」で金儲けですか?
としか言い様が無い。
世界の水不足は、本来その土地では賄いきれないほどの水を必要とするほど無計画に農地を広げたり、自然環境に配慮しない開発で土地が保水力を失ったり、環境対策しないまま工業化を進めて環境破壊で水そのものを汚染してしまったりと言う「自業自得」が主原因である。
「買うヤツが居るから、売る奴が出る。買うヤツが一番悪い」という言い訳は、麻薬や売春のような違法取引ならともかく、正規流通品の取引で、使える言い訳じゃない。
「先進国が大金で買い漁っていくから…」なんて被害者面ができるのは、「売らないなら経済・軍事的に圧力かけるよ」くらい言われた場合だけだと思う。
…そういう事例は無い訳では無いから、先進国が無罪だなんて言うつもりは無いけれど、中国とかオージーとかアメリカなんかは、全くそういう事例に該当し無いから、被害者面されると非常にムカつく。